最近の製品はなぜLEDランプだらけなの?|MacFan

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最近の製品はなぜLEDランプだらけなの?

文●牧野武文

フリーライター・牧野武文氏が消費者目線でApple周りの事象を独自の視点で考察。

最近の電子機器はやたらに光る。ステータスランプと呼ばれるLEDランプが無数についていて、便利な面はあるものの、夜寝るときに眩しいという人も増えてきた。なぜ、LEDランプがこんなにも増えていったのだろうか。これが今回の疑問だ。

 

マインドシェアとセールスシェア

あるプロダクトデザイナーから、心に残る話を聞いた。彼は「マインドシェアを高めるためにデザインをしています」と言う。マインドシェアは、好感度とか認知度と訳されることが多いが、この話の文脈では「消費者が気になる度合い」のことで、製品を購入するときには必ず選択肢の1つになるという。もし、ほかの製品が選ばれた場合でも、使いながらずっとその製品が気になる。選ばれた場合は満足感を覚え、数年後にまた同じメーカーの製品に買い替えようと意識するようになる。そういう「気になる」製品を作るのがデザイナーの仕事だと言うのだ。

一方で、セールスシェアを高めるためのデザインも存在している。特に白物家電の世界では、マインドよりもセールスが優先されることが多いように感じられる。日本では、俗に「大手電機8社」と呼ばれるほど家電メーカーの数が多い。このほかにも、炊飯器やポットなどでは専業メーカーもある。競合製品が多いために、どうしても「売り場で目立つ」デザインが要求されがちだ。

たとえば、うちの扇風機にはLEDランプが14個もついている。風の強弱を示すのに4つ、風の出し方にリズムモード、おやすみモードなどがあり、このモードを表すのに4つ、入タイマーの時間を示す1、2、4、6が4つ、さらには切タイマーの時間も別に4つのLEDランプがついている。扇風機を使うと必ず2つ以上のランプが点灯し、夜寝ているときは正直かなり気になる。目の端に青い光が入り、暗闇の中では天井や壁に映るほどの輝度がある。

このように、青色LEDで表示され、それも不要とも思える数が使われているのが気になる人は意外に多いようだ。ホームセンターなどでは、LEDの減光シールという商品も販売されている。




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