2017.08.28
読書ブロガー・徳本昌大氏がオススメする今月の1冊。仕事に、人生に、本は新たな気づきを与えてくれる。
良きコンサルタントは解決法を提示しない
重要なのは質問力と傾聴力
コンサルタントといえば、ある課題についての解決法を与えてくれる人、というイメージがあります。しかし、それはコンサルタントの正しい姿ではないと本書の著者、エドガー・ シャインは指摘しています。
優秀なコンサルタントは、的確な質問をし、相手に考えさせて、答えを導き出すもの。それができているコンサルタントは、案外少ないのかもしれません。
優秀なコンサルタントの役割は「答えを提供する」ことから「答えを見出せるよう支援する」ことに変化してきているようです。クライアントを真に支援するためには、自身の中に答えがないことを自覚し、謙虚な姿勢になって、クライアントともに答えを見つけることが重要なのだといいます。
クライアントを前進(行動)させるための問いかけができなければ、優秀なコンサルタントとはいえないでしょう。そうした問いを生み出すには、クライアントの本当の考えを突きとめなければなりません。そのためには、誠実な好奇心をもって対応する必要があります。相手の話をよく聞き、そのうえで「なんとしてでもあなたの役に立ちたい」という熱意を見せること(もちろん見せるだけではダメですが)、それが良きコンサルの出発点なのです。そうでなければ、クライアントは少しも動いてくれません。私も起業家のコンサルをするときに、相手に動いてもらうため、プライベートなことを聞いたりしながらいくつかの質問を重ね、打ち解けてもらうようにしています。相手の懐に入ることで、クライアントの課題がようやく見えてくるのです。