エコタンク搭載の「EWーM770T」でたっぷりプリント!|MacFan

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エコタンク搭載の「EWーM770T」でたっぷりプリント!

文●松山 茂

エプソンの「EW-M770T」は、大容量インクタンク(エコタンク)を採用したインクジェット複合機です。

交換頻度が劇的に減る

インクジェットプリンタを使っていて嫌なときって、プリントに失敗したときと、インクが切れてしまったときですよね。特にインク切れに関しては、必要なときに限ってストック切れしていることがよくあります。そして、重い腰を上げて量販店にインクを買いに行くと、そのお値段にびっくり。だって、純正インクだと1色1000円くらいするんです。いざというときになくて、買いに行くと高い。あまりユーザ体験が良くないのが、これまでのインクジェットプリンタのインクでした。

そんな状況を打開しようとしてか、エプソンから「エコタンク」なるものが登場し、今回手に入れたのが、その最新モデルのA4インクジェット複合機「EWーM770T」です。インクジェットプリンタとしての多彩な機能を備えながら、ボディは極力小さいまま(同社のコンシューマモデルであるカラリオのEPー879シリーズより一回り大きいサイズ)、このインク問題を解決しようとした、実に意欲的なモデルなんです。インクジェットプリンタはインクで利益を得ているというけれど、ユーザの目線に立って「何か改善できないか」と考えているエプソンは偉い!

さて、エコタンクがどのようなものなのかというと、一般的なインクジェットプリンタのインクがカートリッジ型の交換式であるのに対して、エコタンク搭載モデルである本製品は大容量インクボトル5本が製品に同梱されているので、A4カラー文書だと約5000ページも印刷できる優れもの。買った瞬間から、しばらくはそのまま使えるわけです。5000枚がどのくらいかというと、エコタンク搭載モデルがCMYK+K(シアン、マゼンタ、イエロー、フォトブラック、ブラック)の5色であるのに対して、一般的なインクジェットプリンタだと計42本のインクカートリッジが必要になる計算。つまり、量販店にインクを買いに行く手間をかなり省けちゃうんです。

 

 

 

手が汚れないインク交換

インクの交換は自分で行いますが、インクボトルのキャップはスクリュー式を採用しているので、ボトルの開閉が簡単。また、インクの補充を終えても、キャップを閉めれば溢れることなく保管しておけます。今までは、インク交換の際に手がインクで汚れてしまう、なんてこともよくありましたが、本製品では心配ご無用。ボトルを逆さにしてもインクが溢れません。さらに、色ごとにタンクとインクボトルの注入口の形状が異なるので、誤って異なる色のインクを注入してしまうミスも起こりません。

しかし、「インク交換の手間がないのはいいけれど、本当にお得なの?」というのが率直な感想でしょう。ご安心ください。本製品はランニングコストにおいても、魅力的な1台なのです。

本製品の1枚あたりの印刷コストは、A4カラーで約1.3円、A4モノクロで約0.5円です。一方、同社のインクカートリッジプリンタ「PX-M650 F」の場合は、A4カラーが1枚あたり約13.5円、A4モノクロが約4.1円。エプソンのWEBサイトでも紹介されていますが、5年間のトータルコストでは、1万8000ページ印刷した場合、PX-M650Fが25万7310円に対して、本製品はなんと8万7760円! 約4300枚(A4普通用紙)印刷した段階で、インクカートリッジプリンタのコストを下回るそうです。その分初期投資は高いですが、使用用途を考えて選べば、コストも手間もこっちのほうが断然お得ですね。

基本性能としては、インクは顔料と染料の合計5色で、最大解像度は5760×1440dpi。また、印刷速度はA4カラー文書が1分間に約10枚と、こちらも十分高速です。写真印刷に特化した同社の「EP-10VA」などと比べると、色の再現領域が狭いのは当然ですが、それでも十分きれいですし、むしろ企画書やチラシなどを大量にジャンジャン印刷したい人にはぴったりでしょう。

やっぱり何をするにしても、ストレスを抱えるのはよくないこと。インクやコストを気にせず使える本製品は、きっとお家で大活躍してくれますよ。

 

インク残量も一目でわかる

実際のインク残量が目視で確認できるので、補充のタイミングを逃す心配もありません。補充もボトルを差し込むだけで簡単。使用済みのインクカートリッジというゴミが発生しないのもうれしい。

 

SDカードやUSBにも対応

SDカードは完全に入りきらず、15ミリほど飛び出た状態になります。スキャンしたデータはSDカードやUSBポートに接続したフラッシュメモリなどに保存できます。手書き合成シートを使えば、手書きした文字やイラストを写真と合成した印刷もできます。

 

排出トレイの引き出し方

操作パネルと前面カバーを開くことで、排出トレイを引き出せます。上段トレイは押し込むと奥に引っ込んでしまい、下段トレイを外さないと手前に戻せません。自動的にカバーが開いて排出トレイが出てくるギミックがあれば、ガジェット的にも萌えたんですが…。

 

ディスクトレイも完備

失くしがちなディスクトレイも本体底部に収納できます。完全に隠れてしまうとしまったことさえ忘れてしまうので、収納してあるのがわかるように少し飛び出しているのが心憎い配慮ですね。

 

[SPEC]
【発売】エプソン販売 【価格】7万5578円(直販価格) 【Size】425(W)×359(D)×161(H)mm(収納時) 【URL】http://www.epson.jp/products/ecotank/ewm770t/

 

【その他スペック】
【重量】約8.0kg 【備考】解像度:5760×1440dpi(最高)、インク:5色(ブラック、カラー)インクボトル、プリント速度:カラー:約32枚/分、モノクロ:約32枚/分、自動両面プリント:標準対応 【プリントサイズ】L判~A4~A6~リーガル/レター、ハガキ/往復ハガキ、洋形封筒1~4号、長形封筒3号/4号、LCDパネル:2.7型 【ファーストプリント時間】カラー約17秒、モノクロ約16秒 【形式】デスクトップタイプ

 

私が紹介します!
松山 茂

東京の下町・谷中に暮らすフリーライター。Leicaと猫が好物。