2017.05.08
Mac Fan独自の視点で、アップル周辺の最新ニュースや話題に切り込む!
一部のUSBアダプタやモバイルバッテリに搭載されている高速充電規格「Quick Charge」によってUSB-Cケーブルが破壊される可能性が指摘されている。アップルデバイスのみを使っていれば問題はないのだが、アンドロイドを併用している場合には注意が必要だ。USB-Cケーブルの現状の問題とともに、その原因を調べてみた。
USB-Cケーブルが壊れる?
USB-Cは、両面どちらでも挿せるリバーシブルな端子と、USBだけでなくディスプレイポートやサンダーボルト3との互換性、USB PD(パワーデリバリー)による電源供給までをこなすユニバーサルさがウリである。すでに12インチMacBookやMacBookプロにも採用されているが、アップル製品だけでなく、アンドロイドのスマートフォンでもUSB-Cコネクタを持つものが急速に増えている。
そうしたアンドロイドスマートフォンの一部モデルでは、独自の急速充電規格である「クイックチャージ(Quick Charge)」が採用されている。クイックチャージとは、対応するスマートフォンと充電器同士の電圧を9V~12Vに昇圧することで電力供給量を増やし、さらなる急速充電を実現する仕組みである。従来のUSBバスパワーでは、電圧は5Vに固定されており、1~2.4Aの電流を流すのが限界だったため、これ以上電流を増やすには、ケーブルを太くしなければならなかった。そうしたジレンマを解決してくれる高速充電規格だ。
なんと、これらUSB-Cとクイックチャージとの間で、問題が発生している。USB規格は本来の電圧が5Vなので、そこへクイックチャージが規格外の高電圧をかけてしまうと、大半のUSB-Cケーブルに内蔵されている「eMarker」と呼ばれるチップが破壊される可能性があるというのだ。
MacやiPhoneを使っている限りはクイックチャージ対応アダプタを使っても昇圧はされないので、ほとんどのアップルユーザは安心していいだろう。しかし、クイックチャージ対応アンドロイドスマートフォンを併用している場合、MacBookに付属するUSB-Cケーブルを使うと、eMarkerチップを壊してしまう条件が揃ってしまう。レアケースなのかもしれないが、ここでしっかりと注意を呼びかけたい。