書類を見やすく美しくするレイアウトの原則とテクニック❶|MacFan

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書類を見やすく美しくするレイアウトの原則とテクニック❶

文●大里浩二栗原亮小平淳一伊達千代森裕司編集部写真●黒田彰

プレゼンのスライドやビジネス文書においては、「見やすさ」や「わかりやすさ」を配慮してレイアウトすることが大切です。おいしそうに見せるための料理の盛り付け(レイアウト)にセオリーがあるように、文書やスライドのレイアウトにも原則やテクニックがあります。

威風堂々と見せる「静」のレイアウト

レイアウトでもっとも大切なことは、情報をわかりやすく伝えることです。伝えるべき主題がはっきりしているときには、凝ったレイアウトや風変わりなレイアウトは適しておらず、むしろ主題がボケたり別のイメージを連想させることにもなりかねません。一方、ビジュアルやテキストを堂々と配置する「静」のレイアウトは、もっともスピーディにわかりやすく主題を伝えることができる手法です。

「静」のレイアウトの基本は安定感を持たせることですが、もっとも安定感を表現するには、テキストや写真を大きくセンターに左右対称(シンメトリー)になるように置きます。大きな要素はどっしりとした安定感を演出できるうえ、シンメトリーは安定感だけでなくフォーマルなイメージも生み出すこともできます。インパクトも大きく、読み手の印象に残りやすいレイアウトなので、企画書やプレゼンのスライドでは、導入の部分や結論を唱える際に便利な手法です。

主題を明確に伝えたい場合は、安定したレイアウトで威風堂々と見せるとよいでしょう。

 

躍動感を演出する「動」のレイアウト

スポーティさやエネルギッシュなものを表現するには、「動」のレイアウトが効果的です。要素に強弱をつけて配置するレイアウトですが、ただ単に強弱があればよいわけではありません。動的な印象を与えるためには、安定感とは逆の手法をとる必要があります。

重いものが下にあり、軽いものが上にあれば安定感につながりますが、逆に重いものが上になれば不安定になり、それが「動き」につながります。たとえば、写真の場合、大きな写真は重さを感じ、小さな写真は軽さを感じるので、大きな写真ほど上の方に配置するようにします。また、配置のバランスでは、三角形は安定につながりますが、逆三角形は不安定なのでこれも「動き」の演出になります。「動」のレイアウトは、重いものが上、逆三角形配置と覚えておけばよいでしょう。

この作例では、写真の部分を「動」のレイアウトにしました。大きな写真をなるべく上部に置き、逆三角形に配置することで生じる不安定感が「動き」を生み出しています。