AI全盛時代に備え人間性の議論をそろそろ始めよう|MacFan

アラカルト FUTURE IN THE MAKING

AI全盛時代に備え人間性の議論をそろそろ始めよう

文●林信行

IT、モバイル、デザイン、アートなど幅広くカバーするフリージャーナリスト&コンサルタントの林信行氏が物申します。

©petrmalinak

 

 

AI、つまり人工知能について講演をする機会が増えている。大学や企業をはじめ、年に1度、「スーパーアカデミア」というイベントで中高生向けに話をする広尾学園でも今年は「AIがもたらす未来」という講義をした。

スマートフォンがあらゆる産業を変え、我々の日々生活まで変貌させたように、人工知能もデジタルと無縁に見える一次産業を含む、すべての業界業種に影響を及ぼす。講義では弁護士助手をはるかに上回る能力で不正示唆のメールなどを見つけ出すFRONTEO社のLit i Viewシリーズや犯罪予測のPredPolといったAIサービス、匠の技を学び始めたロボット職人などすでに実績を上げている多様な業種の事例の紹介からいつも始める。

AIの進化は2011年が1つのターニングポイントで、ここから深層学習という人の脳に近い仕組みで学ぶものが増え、能力が飛躍的に向上した。その5年後の昨年はAIが「一線を超えた」と感じさせるニュースが多かった。囲碁のチャンピオンを打ち負かしたAlphaGoに始まり、医療画像から腫瘍を発見する力でも人間を上回り始めた。マイクロソフトやグーグルらは写真に何が写っているかをAIに理解させ英文で表現させるテストをしているが、ここでもマイクロソフトのAIが人の平均スコアを抜いた。画家・レンブラントの作品346点を学習し、現代人のモデルをあたかもレンブラントの新作風に描いてしまう人工知能も登場した。

 

 

 

Nobuyuki Hayashi

aka Nobi/デザインエンジニアを育てる教育プログラムを運営するジェームスダイソン財団理事でグッドデザイン賞審査員。世の中の風景を変えるテクノロジーとデザインを取材し、執筆や講演、コンサルティング活動を通して広げる活動家。主な著書は『iPhoneショック』ほか多数。




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