2017.03.10
ウィンドウズPCからMacへスイッチした人は、Macを使ってみてどう感じたのでしょう。Macだけしか使ったことのない人には気づきにくい、Macの良さを確認してみましょう!
これまでの議論に変化
「なぜウィンドウズではなくMacのほうが優れているのか」という20年以上繰り返されてきた昔ながらの問いには、さまざまな答え方がなされてきました。プロダクトデザインとしての優劣、マウスやトラックパッドなどインターフェイスの違い、GUIのユーザビリティなど細かいことを言い出せばきりがありません。もちろん「趣味」として使う分にはユーザ体験の細かな違いこそが重要なのですが、果たしてそれは本質的な違いなのでしょうか。
もしかしたら「Mac対ウィンドウズ」というお馴染みの対立構図は、すでに過去のものなのではないでしょうか。具体的にいえば、アップルが2006年から3年にわたって実施した「Get a Mac」キャンペーンの頃にはすでに変化が起き始めていたのではないかと思います。
特に、iPhoneやiPadが登場した「モバイル革命」以降は、主戦場はハードウェアからソフトウェアに、そしてクラウドプラットフォームへと移行しつつあります。もはやアップルにとってのライバルはグーグルでありアマゾンであって、マイクロソフトとPCの覇権を争っているわけではありません。Macとウィンドウズの違いを考えるのであれば、まずこの前提を踏まえないと問題を見誤ってしまいます。
では、Macの設計思想の最大の特徴とは何でしょうか。古い話ですが、「The Computer for the Rest of Us(=普通の人々のためのコンピュータ)」というMac発売当時のキャッチコピーは、現在のアップル製品にも引き継がれています。ただし、この「誰でも使える」という部分は、むしろiOSデバイスのほうに鮮明に現れていて、タッチ操作、アプリ単位での機能提供、クラウドを利用したデータ管理の簡略化といった特徴が、それを如実に示しています。
最近のMacは、このiOSデバイスで得られたノウハウをユーザインターフェイスにフィードバックしつつ、データレベルではアイクラウド経由で一体的に管理できるようになっています。むしろ役割としては、iOSデバイスでは現状カバーしきれない「アプリ開発」や厳密なカラーマネジメントが必要な一部の「デザイン」など専門性の高い業務に適したものへとシフトしつつあります。