2017.03.06
Mac Fan独自の視点で、アップル周辺の最新ニュースや話題に切り込む!
アップルのSiriをはじめ、アマゾンからはアレクサ(Alexa)、そしてグーグルからはアロ(Allo)という人工知能音声アシスタントが登場している。家や家電や車などとの新しいインターフェイスとして音声が上げられるが、アップルは他社に反して大きな動きは見せていない。だが、アップルの動きこそが市場の在り方を決定するだろう。
普及しないジレンマ
アップルのティム・クックCEOは、2017年第1四半期決算の電話会議で、iPhoneから利用する自宅のスマートホームで何が起きているかを語った。
朝、iPhoneのSiriに「おはよう」と話しかけると、自宅のライトが点灯し、コーヒーメーカーが動き始める。また、リビングルームでリラックする際、Siriから調光と暖炉の点火を行える。家から出るときはiPhoneをタップすれば電気が消え、空調が弱まり、鍵がかかる。帰宅のときも、家に近づくと部屋の電気の点灯、空調の操作が自動的に行われる。
これらはiPhoneから利用できる「ホームキット(HomeKit)」を利用したオートメーションだ。おそらくこれらに加えて、カーテンの開閉なども行えるはずだし、コーヒーメーカーに限らず、単純なスイッチ式の機器であっても、コンセントにスマートスイッチを接続すれば、ホームキット対応デバイスになる。
アップルはもう何年もホームキットに取り組んでいるが、大きな成果は上げていないし、多くの人々がこぞって導入しようという契機も生まれていない。この結果についてアップルが満足しているはずがない。
スマートホームの問題点は、その対応機器が少ないことが挙げられる。そしてこれはアップルが展開するiPhoneと車を接続する「カープレイ(CarPlay)」の問題でもあるが、家を新築するタイミングでなければなかなか機器を入れ替えないため、対応製品が普及しないというジレンマがある。