「M-DISC」に注目! 光ディスクの大容量化は今年もさらに続く|MacFan

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「M-DISC」に注目! 光ディスクの大容量化は今年もさらに続く

文●今井 隆

アップルデバイスに搭載される、さまざまなテクノロジーを超ディープに解説!

読む前に覚えておきたい用語

CDとDVD

CDはフィリップスとソニーによって開発されたデジタルオーディオ用光ディスク。アナログレコードを置き換えるメディアとして開発が進められ、1982年に音楽CD、プレーヤの販売が開始された。一方DVDはVHSやLD(レーザディスク)などを置き換えるメディアとして1995年に発表され、国内では1996年からDVDビデオとプレーヤの販売が始まった。

Blu-rayディスク

ブルーレイディスク(BD)は日立製作所、LG電子、パナソニック、パイオニア、フィリップス、サムスン電子、シャープ、ソニー、トムソンの9社による「ブルーレイディスクアソシエーション」により2002年2月に策定された、DVDの後継となる第3世代光ディスク規格。HDビデオに対応している。策定当時、「HD DVD」と市場を分けて争ったが、ブルーレイが勝利した。

Ultra HD Blu-ray

ブルーレイディスクの次世代規格となるのが、「ウルトラHDブルーレイ」だ。ブルーレイディスクアソシエーションが2015年5月にリリースしたこの規格は、ブルーレイディスクの記録フォーマットを拡張し、4K解像度(3940×2160ピクセル)、最大輝度レンジ1万nitのHDR、BT.2020の色域信号に対応した広色域表現などをサポートする。

 

 

マルチメディアの普及と光ディスクの進化

世の中に光ディスクが登場したのは、オーディオCDが普及し始めた1980年代前半のこと。アナログレコードよりも広いダイナミックレンジと周波数特性、ノイズの少なさなどを武器に、一気に普及した新メディアだった。音楽の再生メディアとして普及したCDをデジタルデータの格納に転用したのがCD-ROMであり、読み取り装置として設計されたのがCD-ROMドライブだ。

Macに対応したCD-ROMドライブは、1988年にアップルからリリースされたSCSI接続の外付けドライブ「Apple CD SC」が最初となる。その後、1992年12月にリリースされたOS「漢字Talk7.1」ではインストールメディアとしてCD-ROMが採用され、MacユーザにCD-ROMドライブが急速に普及した。初めてCD-ROMドライブを搭載したMacは1992年8月登場の「Macintosh IIvi/IIvx」で、1994年2月登場の「LC520」、「LC630」以降のモデルには標準で搭載されるようになった。

オーディオのデジタル化、光ディスク化に続き、1996年9月にはDVDの規格策定が完了し、各種ビデオコンテンツがリリースされた。Macでは1997年11月にリリースされた「PowerMac G3」が初めてDVD-ROMとCD-ROMを読み書きできる「コンボドライブ」を搭載し、DVDビデオの再生機能をサポートした。さらに2001年1月にはDVD書き込み対応の「スーパードライブ」を搭載した「PowerMac G4 Digital Audio」を発表。業界初のDVDオーサリングソフト「iDVD」と組み合わせて、ユーザにDVDビデオ作成の門戸を開いた。その後、スーパードライブはMacの標準搭載ドライブとなっていたが、2008年1月にリリースされたMacBookエアでは薄型化のためにスーパードライブを廃止。その後ブロードバンド環境の充実によって大容量ファイルのインターネット配信が可能となったことから、PC業界全体が光学式ドライブの搭載を見送り、アップルも2016年12月に販売終了したMacBookプロを最後に、光学式ドライブを搭載したMacをラインアップから除外している。

フルHDに対応した次世代DVDを巡ってはブルーレイディスク(BD)陣営とHD DVD陣営の対立が市場を二分したが、最終的にはブルーレイディスクに一本化された。アップルはすでにビデオインフラの需要はインターネット配信に移行したものとみなし、次世代DVDにはほとんど興味を示さなかったため、ブルーレイディスクドライブを搭載するMacは存在しない。ただし、OS自体はブルーレイディスクへのアクセスをサポートしており、対応の外付けドライブを接続することでデータの読み書きは可能だ。2015年5月には4K、HDRに対応する次世代ブルーレイディスク規格「ウルトラHDブルーレイ」が策定され、すでに対応コンテンツもリリースされているが、これに対するアップルからのリリースやアナウンスは、今に至るまで特にない。

 

光ディスクの種類




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