iPhoneの充電の仕組みを100%理解しよう|MacFan

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5つのポイントを知れば基礎はバッチリ!

iPhoneの充電の仕組みを100%理解しよう

文●今井隆中村朝美写真●黒田彰

iPhoneを速く充電する方法を知る前に、そもそもiPhoneの充電の仕組みってご存じでしょうか?これから挙げる5つのポイントを知ればもう大丈夫。より理解が深まることは間違いありません。

【Point 1】リチウムイオンバッテリの仕組み

iPhoneやiPadにはその電源として、「リチウムポリマーバッテリ」が採用されています。リチウムポリマーバッテリは、リチウムイオンバッテリと呼ばれる高性能二次電池(充電池)の一種。乾電池の形をしたリチウムイオンバッテリが電解質に有機物の電解液(液体)を採用しているのに対して、リチウムポリマーバッテリは電解質に高分子ポリマー(ゲル)を採用し、アルミシールで保護しシート状に加工したものです。

リチウムポリマーバッテリの内部は、アルミニウム箔の正極とそこに塗られたリチウム金属酸化物の正極合剤、銅箔の負極とそこに塗られた炭素などの負極合剤と、その間に電解質を含むポリマーとセパレータを挟んだ構造になっています。これを何層にも折りたたんで積層し、アルミニウムでラミネートされたフィルムなどの外装材で密閉することで高い電力密度を得ています。充電時には正極から放出されたリチウムイオンがセパレータを抜けて負極に集まることでエネルギーが蓄積され、放電時には負極から正極にリチウムイオンが戻ることで電気エネルギーが電極に放出されます。このサイクル(充放電サイクル)を繰り返すことで優れた充放電特性を発揮するのがリチウムポリマーバッテリの動作原理です(本稿ではリチウムポリマーバッテリもリチウムイオンバッテリと呼びます)。

リチウムポリマーバッテリの内部は、アルミニウム箔の正極と、そこに塗られたリチウム金属酸化物の正極合剤、銅箔の負極とそこに塗られた炭素などの負極合剤と、その間に電解質を含むポリマーとセパレータを挟んだ構造になっています。

 

iPhoneのリチウムポリマーバッテリセルは、上記構造のシートを何層にも重ね合わせて折りたたみ、アルミニウムでラミネートしたフィルムで封止した構造になっています。iPadにはより大きなバッテリセルが複数搭載されています。【URL】https://www.ifixit.com/Guide/iPhone+7+Battery+Replacement/67528

 

【Point 2】iPhoneの充電方式

iPhoneの充電方式は「定電流定電圧充電方式」と呼ばれており、バッテリ容量が0%からおよそ80~85%までの間を「定電流充電方式」、そこから先を「定電圧充電方式」に切り換えて充電を行う仕組みです。このうち低電流充電の期間は急速充電が可能で、より大きな電流を流せる電源を使用することで、充電時間を短縮することができます。一方、定電圧充電の期間は満充電に向けて徐々に充電電流が減っていくので、この状態になってから満充電までにかかる時間は電源が変わっても大きく変化しません。

iPhoneは、0~80%程度までを定電流充電方式で、80%以上を定電圧充電方式で充電します。