2017.01.13
サイズが大きいファイルをやりとりしたり、確実に保存しておきたいファイルなどを保管しておくのに最適なのが、クラウドにファイルをアップロードして保存する「オンラインストレージサービス」。数多くの種類がありますが、無料で使いこなすためにはどうしたらいいのでしょうか。
どのサービスが自分に最適?
「オンラインストレージ」とは、インターネット上のサーバのディスクスペースを、あたかもハードディスクのようなストレージとして使えるサービスです。ストレージにアクセスできる端末からは共通して利用でき、ローカルとオンラインは自動で同期されるので、Macで作業したファイルをiPhoneで開くなど、複数台の間でファイルをやりとりする際にも、とにかく便利に使えます。
macOSはシステム標準で「アイクラウド・ドライブ」をサポートしていますが、下記のとおり、オンラインストレージは多種多様。あえてシステム標準の機能を使わないという選択肢を取るなら、どのOSをメインに使うかを考えて選べばいいでしょう。
容量は無料の場合、5GB前後が提供されますが、サービスによってはすべて使えるわけではありません。たとえばアイクラウド・ドライブは、シエラでは「デスクトップ」と「書類」の各フォルダを自動的に同期するほか、メールや、アイクラウド・フォトライブラリ、iOSデバイスのバックアップなどと容量を共有するので、それを踏まえて適切な運用ルールを決める必要があります。
また、オンラインとローカルが自動で同期されるのは便利ですが、オンラインのコピーを保存する分、ローカルのストレージが圧迫されてしまうので要注意です。
お手軽さはナンバー1「iCloud Drive」
macOSが標準でサポートしているのが、この「アイクラウド・ドライブ」。MacやiPhone、iPadなどを使っているユーザであれば、誰でもアカウントを取得できます。ファインダのサイドバーに標準で表示されており、ファイル保存時のダイアログでも最初に選択されるなど、使いやすさでは群を抜いています。無料版での容量は5GBと、オンラインストレージとしては標準的ですが、これはメール(「@icloud.com」のメールアカウント)やiOSデバイスのバックアップ、アイクラウド・フォトライブラリなどと共有するため、実際に使える容量はもっと小さくなります。また以前はファインダ上にアイコンが置かれ、直接アクセスできていましたが、シエラからはデフォルトで「デスクトップ」と「書類」がアイクラウド・ドライブに同期されるようになりました。これによりMacが複数ある場合でも作業環境をアイクラウド・ドライブ経由で同期できるようになりましたが、ファイルを置きすぎると容量が圧迫されてしまいます。特に「書類」フォルダはサイズが大きくなりがちなので、こまめにファイルを移動させるといいでしょう。
無料のまま使うポイント
空き容量を複数のサービスで共有するため、圧迫要素が多くあります。iOSのバックアップ対象となるアプリを減らす、アイクラウド・フォトライブラリを使わない、不要なファイルはこまめに削除するといった工夫が必要になるでしょう。ただしMacやiOSデバイスはアイクラウドの利用を前提としているため、無料にこだわるよりは50GB(130円/月)や200GB(400円/月)など、比較的安価な有料版に切り替えてフル機能を使ったほうが気持ちよく使えるでしょう。