クラウドソーシングの“マッチング”を考えよう|MacFan

アラカルト みらい企業のリテラシー

vol.6 業務依頼

クラウドソーシングの“マッチング”を考えよう

文●山田井ユウキイラスト●鈴木順幸

ITの発展で変わりゆく日本のビジネス。企業が抱える悩みを「みらいチャレンジ株式会社」の2人が解決。

今、注目を集めるクラウドソーシングとは?

─今回のテーマは「クラウドソーシング」です。企業にとっては新しい業務依頼の仕方、業務を請け負う個人にとっては新しい働き方として、今注目を集めています。そうしたクラウドソーシングを企業が使ううえで発生するメリットやリスクについて、解説をお願いします。

徳本●まずはクラウドソーシングってそもそも何なの?という説明から入ろうか。

中野●一言でいうと、企業が業務を外注する際のマッチングシステム、およびマッチングを行うサービスのことですね。特定のフリーランスの方に外注するのと違って、インターネットを介し不特定多数の人に募集をかけられる点が特徴です。

徳本●ここ数年で一気に市場を拡大したよね。マーケットリーダーといえるのは、この業界の黎明期からサービスを開始しているランサーズやクラウドワークスといったところだろうか。こうした会社は扱う案件もさまざまで、抱えているフリーランサー(クラウドワーカー)も多い。まさにクラウドソーシングの大手といえるね。ほかにも、クラウドソーシングで検索すると、専門分野に特化したところなど本当にたくさんのサービスが見つかるはずだよ。

中野●どんな業務依頼があるのか、実際にクラウドソーシング大手のWEBサイトを見てみると、いろいろな依頼が出ていますね。WEBサイトの制作、アプリの開発、ロゴのデザイン、チラシ作成、データ入力…。

徳本●比較的誰でもできる業務も多いけど、クリエイティブかつ、ちゃんとしたスキルを必要とする業務もけっこう出ているね。

─企業がクラウドソーシングを使う場合、どんな流れで発注すればいいのでしょうか。

徳本●企業もクラウドワーカーも、まずはサービスに登録するところからだね。登録が完了したら企業は仕事の詳細を掲示して、ワーカーからの応募を待つのが一般的な流れだよ。応募が集まったら、その提案の中から最適なものを選んで発注するんだ。

中野●コンペ形式に近いですね。基本的に報酬は発注側がある程度の幅を持たせて設定します。その金額で受けられる人から応募がくるので、価格設定が無茶だと誰からも応募がないなんてこともあるかもしれません。

徳本●発注する相手を決めたら、あとはやりとりして実際に業務を行ってもらい、納品されたら報酬を支払うという流れだね。

─企業としてクラウドソーシングを使うメリットはどこにあるでしょうか。

徳本●まず、仕事を頼める人が見つかるということ自体がメリットだよね。たとえばオウンドメディアを作ったとして、いざライターやフォトグラファーを探そうとしても、出版業界に縁や知識がないとなかなか見つからない。それ以前に、そもそもどうやって探せばいいのかもわからない。そんなとき、クラウドソーシングなら案件に応じて最適な人材と出会えるというわけだ。

中野●自社の業界とはまったく異なる業界の人に出会える方法として、クラウドソーシングは非常にわかりやすく、誰にでも利用できて便利なサービスですね。

徳本●その業務の規模や重要度によっては、業界のしきたりや従来のやり方に乗っ取って発注すべきものもあるだろうね。そういうものには信頼やこれまでの実績といった、目には見えないけれど強力な後ろ盾が存在するから。ただ、そこまで大掛かりな組織や予算を組むほどの案件ではないけれど、自分たちでなんとかなるものでもないという案件もある。そういうときに役立つのがクラウドソーシングなんだ。

中野●契約などの仲介は、マッチングサービスを運営する会社が行うので、報酬の支払いなどでトラブルが起きにくいということも大きいですね。

徳本●仕事が完了して納品してから初めて支払えばいいわけだからね。いわばサービス事業者が代理店の役割を果たしてくれるわけだ。

中野●それから、クラウドソーシングのもう1つのメリットはコストですね。

徳本●そう、専門の会社に発注すると、かなりのコストがかかってしまう。その点、個人で受けてくれるクラウドソーシングなら、比較的コストを抑えることができる。




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