2017.01.15
「iPhone/iPadバカ」でも知られるビジネス書作家・美崎栄一郎氏が、著名人のiPhoneの中身を覗き見!
見せる人/佐藤ねじ
株式会社ブルーパドル代表。アートディレクター/プランナー。デジタルコンテンツの企画・デザイン・PRを仕事にしつつ、WEBやアプリ、デバイスの「隙間表現」を探求。代表作に「ハイブリッド黒板アプリKocri」「貞子3D2 スマ4D」「しゃべる名刺」など。文化庁メディア芸術祭、Yahoo!インターネットクリエイティブアワード、グッドデザイン・ベスト100など受賞多数。【URL】http://www.nezihiko.com/works/web.html
佐藤ねじさんのiPhoneメイン画面にあるアプリ Evernote/Simplenote/OmniFocus/Nuzzel/Eight/Quicka
アイデアが消える前に
今回のゲストは、2016年7月に株式会社ブルーパドルを設立したアートディレクター・佐藤ねじさん。以前は面白法人カヤックに在籍しており、数々の伝説的なアイデアを形にしてきました。また、個人的な活動としてもユニークな作品を公開し続けている生粋のクリエイターです。先日、ねじさんが書いた『超ノート術』(日経BP社)を読んだら超おもしろかったので、ラブコールをして今回の対談が実現しました。
ねじさんの代表的な作品には、iPhoneの上に置く名刺「しゃべる名刺」や織田信長の影が浮かび上がる「本能寺ストーブ」、奥さんに宛てた「レシートレター」などなど。これらの作品は私も知っていましたが、すべてねじさんのアイデアだったとは…。
アイデアを着想するためのコツは著書にも書かれていますが、そこには載っていない“デジタルの部分”もあるはずだと予想して、この対談を持ちかけました。そして予想どおり、ねじさんはノートアプリを駆使してアイデアを貯め、それを企画にまで高めていました。
「おもしろいと思ったモノ、そこから着想のヒントを得たモノをエバーノート(Evernote)に入れていきます。その場で撮った写真やそれについてのコメントやURLなども含めて一週間で1つのノートを作成し、その集合を1つのノートブックに入れているんです」
実際に見せてもらうと、展示会や美術展などさまざまな場所で思いついたアイデアが、エバーノートにぎっしり詰まっていました。
「ここにアイデアの素がたくさんストックされていると思うと、ネタ切れを起こすことはないだろうと安心できます(笑)」といいますが、確かにこれだけの量があればネタ切れすることはなさそう。
アイデアから企画に昇華させるために、たまにアナログのノートに書き貯めてある過去のアイデアを見返しているそうです。こちらはモレスキンノート2冊。ユニークなのが、「立体」と「平面」というジャンルに分けて、ノートを2つ用意していること。紙やWEBベースの企画は「平面」に、形のあるプロダクト系のアイデアは「立体」ノートに書くそうです。
エバーノートの使い方は、ネタとなる写真やアイデアなどが思いついたときに、iPhoneを使ってすぐに入力。コメントなども極力その場で書いておくことを基本としているのだとか。あとで整理しようと思うとなかなかできないので、最初から目的の場所にアップして、まとめてしまいます。
確かに、アイデアはすぐに書き留めないと脳から消えてしまうので、ねじさんの方法はアイデアマンならではのすごい習慣です。iPhoneで写真だけおもしろいモノを撮っても、必要になったときにあとから探し出すのは大変。でも、コメントが少しでも入っていれば検索性も上がりますね。