2016.12.13
「旅する鈴木」が世界を歩いて見つけたもの、出会った風景。
首都アディスアベバを出発して、3日が過ぎていた。いよいよ舗装された道はなくなり、酷いデコボコ道に入る。延々と揺れ続けるクルマを「エチオピアンマッサージだ」とガイドは笑う。だが、すでに車酔いでグロッキーなヨメは、そんなギャグじゃピクリともしない。
エチオピア南部、南スーダンとの国境近くに住むスリ族に会うツアーに、僕らは参加していた。彼らのエリアは“南部諸民族州”という不思議な名を持つ州の奥の奥。デコボコ道を丸1日走り、山をいくつも越えて目的地に着いた頃には、すっかり辺りは暗くなっていた。灯りはどこにもないが、どうやらここが村らしい。