ゴチャゴチャを受け入れよう!|MacFan

アラカルト フツウを変える、フツウをつくる

ゴチャゴチャを受け入れよう!

文●三橋ゆか里

ITライターとして活躍する三橋ゆか里氏の最新テックトレンドウォッチ!

©carla castagno

 

 

フィナンシャル・タイムズ週末版の“Say Yes to the mess(ゴチャゴチャを受け入れよう)”という記事を読んで、「余白」について考えさせられました。うまく整理整頓さえできれば仕事の効率が上がると考えがちですが、それより目の前のタスクにさっさと着手して「GTD」(Get Things Done)したほうが生産性が上がると説くもの。整理整頓が仕事の能力に影響するというのは神話であって、人間がただ秩序に安堵する生き物であるからそう思い込んでいるに過ぎない、と。

日本を訪れた海外の友人などは、決まって「日本はとても秩序正しい国だ」と感動します。ほかの国ならカオスであろう混雑した駅のプラットフォームですら、日本人は辛抱強く電車を列をなして待ちます。秩序があることに心地よさを感じるのは確かですが、裏返すとそれだけルールに囲まれていると捉えることもできます。スポーツに曖昧なルールが存在しないように、社会のルールもまた厳格。守るのか破るのか、白なのか黒なのか。

整理整頓の話に戻りますが、記事の中で紹介されているのが、1990年代初期に野口悠紀雄さんが発明したという「押し出しファイリング」。人にはモノに定位置を設けようとする習性がありますが、この方法ではモノを「時間軸」で整理します。たとえば書類の場合、使ったものを常に一番左に戻す。これを繰り返すことで、頻繁に使うものは棚の左側に、まったく使わないものが右側に集まり、定期的に右側にある書類を断捨離するという整理整頓法です。ガチガチに固めず、モノの位置は変動するという余白を残すことで機能します。




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