エプソン販売の「EW-M660FT/EP-M570T」|MacFan

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エプソン販売の「EW-M660FT/EP-M570T」

文●栗原亮

アップル製品を手厚くサポートするハード&ソフトメーカーの新製品について担当者に直撃!

大容量で低インクコスト

ビジネスにおけるイノベーションは「あちらを立てればこちらが立たず」といったトレードオフの関係を、いかに解消するかというアイデアから生まれる。これはビジネス向けのプリンタにおいても例外ではない。

これまで、小規模なオフィスや店舗のバックヤード、または自宅での仕事などで1日に数十枚以上のプリントを行うビジネスの現場では、印刷するたびにインクコストが気になり、カラーで印刷するところをモノクロで印刷したり、突然のインク切れによって仕事の進捗がストップするという状況が見受けられていた。昨今、インクジェットプリンタのランニングコストは以前に比べて低下しているものの、依然としてカートリッジ方式が中心であった。

そこで、より抜本的なアイデアで現場の不満を解消したのが、2016年2月にエプソン販売(以下エプソン)から発売されたエコタンクを搭載したカラー複合機「EW-M660FT」である。さらに同年9月には、よりコンパクトな「EP-M570T」も発表され、コスト意識に敏感なビジネスユーザからの注目を集めている。

 

 

EW-M660FT/EP-M570T

【発売】エプソン販売
【価格】オープンプライス
【実売価格】EW-M660FT:6万円前後/EP-M570T:4万円前後
【URL】http://www.epson.jp/?
【PRODUCT SPEC】サイズ:445(W)×304(D)×169mm(H)(収納時)/重量:約5.0kg/解像度:5760×1440dpi/インク:4色 インターフェイス:USB、IEEE802.11b/g/n/耐久性:3万ページ 無償保証期間:最大2年間(無料会員登録必要)/ランニングコスト:カラー約0.6円、モノクロ約0.3円

 

COMPANY

セイコーエプソン株式会社はインクジェットプリンタをはじめ、プロジェクタやパソコンなどの電子機器、半導体などの電子デバイス部品の製造開発を行っている。本社は長野県諏訪市。略称・ブランドは「エプソン(EPSON)」。東京都新宿区に本社を置くエプソン販売株式会社がエプソン製品の販売や卸売、サポート等を行う。

 

5年後にエコタンク搭載モデルにしてよかったと実感できます

 

セイコーエプソン
プリンター事業部 プリンター営業部 主事
津村司さん(左)

エプソン販売
販売推進本部 CP MD部主事
梅木正史さん(右)

 

 

「カートリッジ交換式のインクジェットでは実現が難しかった“低コストで大量にプリントしたい”というビジネス分野のニーズにお応えしたのがエコタンク搭載モデルです」(津村さん)

EW-M660FT/EP-M570Tの最大の特徴は、大容量インクタンクの「エコタンク」を搭載することで圧倒的な低コストプリントを実現しながら、同時にインク交換の頻度や手間を大幅に削減している点だ。印刷コストは、たとえば同社のカートリッジモデルのPX-M650FがA4カラー文章1枚約13・5円なのに対し、EW-M660FTは約0.8円。

本体購入時に同梱されているインクだけで、ひと月300ページプリントしても2年間インクの追加購入が不要だ。エコタンクのエコは「Eco(nomy)」と「Eco(logy)」から名づけられたという。まさに経済的で、大量に印刷しても環境に配慮したプリンタなのである。

「エコタンク搭載モデルは、プリント単価やTCO(トータルコスト)のことをよくご存知のお客様に支持されており、今あるプリンタの置き換えだけでなく、2台目、3台目のプリンタとして追加購入されるケースも多くあります。また、購入後のアンケートでは『インク交換の手間がなくなった』という点も高く評価していただいています」(梅木さん)

トータルコストを重視

エコタンク搭載モデル登場のきっかけは、東南アジアなど新興国で、従来のインクジェットプリンタを改造して大きなインクタンクを搭載した商品との競争から生まれた。品質を確保できるインク補充の仕組みをエプソン自ら研究開発し、販売することでグローバルで累計1500万台以上の大ヒット(2016年6月末時点)となり、インクコストに不満を感じていた多くのユーザの心をつかんだ。

「エコタンク搭載モデルは当社がこれまで築き上げてきたカートリッジ式インクジェットプリンタのコンセプトを否定するものではありません。もともと新興市場では複数ページの教材を家庭でプリントしなければいけないなど特殊な事情があり、コストをかけずに自宅で大量に印刷したいという切実なニーズと真剣に向き合う中で生まれた製品です。そして、先進国ではトータルコストへの意識が高いビジネスの分野を中心に受け入れられ、多くの分野、業種へ広がり始めています」(津村さん)

EW-M660FTとEP-M570Tは、前者がADF(オートドキュメントフィーダ)やファクスに対応した多機能モデルなのに対して、後者はADFやファクス非対応の代わりに本体をコンパクトにするなど仕様上の違いがあり、現場のニーズに則して選ぶことができる。たとえば、受付カウンターでの設置など場所を取りたくないケースでは、インクタンク部分の幅を約半分とスリム化したEP-M570Tのほうが適している。

「ほかにもブラックのインクタンク容量やプリント速度の違いなどもあります。特にEW-M660FTに同梱されているインクボトルは、1本あたり140mlで、EP-M570Tの2倍です。モノクロ文書のプリントが多い方や、時間あたりの生産性を重視される方はEW-M660FTをおすすめします」(奥村さん)

「本体の設計においても、さまざまな部分で工夫を凝らしています。プリンタとしての品質や耐久性は確保しながら、パーツの一つ一つを見直し、コストダウンを図ってお求めやすくなるようにしました。また、エコタンク搭載モデルには、大量の伝票印刷などにも便利なモノクロ専用モデルも用意されています」(鳥越さん)

プリンタのリーディングカンパニーであるエプソンから登場した画期的なソリューションは、プリンタ導入時にビジネスの現場でもっとも重要視されるコストの課題と正面から向き合い、「トータルコストをおさえる」というコンセプトに先鋭化したモデルだ。「たくさん、でも安く」という欲張りな現場でこそ、その真価を実感してみてほしい。

 

「プリンタのインクは高い」と思っている人にこそ使ってもらいたいです

 

セイコーエプソン
プリンター事業部
プリンター企画設計部 主事
奥村秀樹さん(左)

セイコーエプソン
プリンター事業部
プリンター企画設計部 主事
鳥越勇介さん(右)

 

印刷するほど“お得”なエコタンク搭載モデル

エコタンク搭載モデルは、カートリッジ式と比べて大容量なためランニングコストが抑えられるのが特徴。購入時は各インクボトルが2本ずつ同梱されている。同梱のインクでEW-M660FTはカラー約1万1300ページ、EP-M570Tはカラー約1万4000ページのプリントが可能だ。

 

初期コストを抑える工夫が随所に

インクタンクのキャップとヘッドにインクを供給するチューブに使用される材料を共通化するなど、パーツの設計レベルからコストダウンが徹底されている。

 

トータルコストで有利

新製品のEP-M570Tを、同社のインクカートリッジ式プリンタ「PX-049A」と比較した際のコストシミュレーション。エコタンク搭載モデルはプリント枚数が多いほどランニングコストの低さが際立つ。*計測結果はエプソンホームページをご覧ください。

 

モノクロ専用モデルもある

モノクロのエコタンク搭載モデルとして複合機の「PX-M160T」(左)とプリント専用機「PX-S160T」(右)がラインアップされている。SOHOや個人商店の伝票印刷などモノクロプリントを大量に行う場合に最適だ。このような豊富な選択肢が揃っているのもエプソンならでは。