モバイルスキャンの最適解って?|MacFan

レクチャー Macの媚薬

モバイルスキャンの最適解って?

文●栗原亮

大声では言えないとっておきの"Macネタ"、あります。

ノマドでスキャン問題

世の中ペーパーレス化が進んでいるといっても、まだまだ紙資料が欠かせません。また、これはライターや編集者に特有の作業ですが、ゲラ(校正刷り)の確認はPDFのアノテート機能よりも、紙に赤ペンで書き込むほうが速くてミスを見つけやすいのです。

しかし、紙資料をアーカイブするときや、赤字を入れた原稿をインターネットで送るにはいずれも「スキャン」によるデジタル化が必要となります。自宅やオフィスであれば複合機やドキュメントスキャナを用意できますが、喫茶店など外出先でノマド作業している際にはそうもいきません。

このようなモバイル環境でどのような方法でスキャンするのが最適なのか数年にわたって悩んできましたが、1つの方法にこだわるよりは状況によって3つの選択肢を使い分けるのがよいということがわかってきました。

3つのアプローチから選ぶ

まず、USB接続の「モバイルスキャナ」を持ち歩くという方法があります。Macと直結してバスパワー駆動で作業できるので、ほとんどのシーンで利用できるというのが大きなメリットです。しかし、さすがに周辺機器を普段から持ち歩くのは荷物が増えるので、あまり得策とはいえません。

第2の選択肢はコンビニのマルチコピー機のスキャナです。データをMacへ読み込むにはUSBメモリが必須ですが、画質の良さやA3まで対応できるのが利点です。問題はスキャン価格がカラー印刷並みと高いことです。

最後の選択肢はiPhoneアプリを使うという方法です。最初は心理的に抵抗感もあったのですが、実際に試してみると画質も必要十分で境界線の検出や台形歪みの補正まで自動で行ってくれるアプリもあります。

特にアイクラウド・ドライブに対応する「スキャナミニ(Scanner Mini)」であれば、Macと自動同期できますのでシームレスに作業できます。何よりカメラで撮ってスキャン完了という手軽さが最大のアドバンテージです。ただし、A3などサイズの大きい用紙のスキャンには向きません。

コストやスピード、利便性をまとめてみましたので、送る相手や書類の性質、画質が必要なシーンかどうかを判断して3つのアプローチから使い分けてみましょう。

 

 

(1)モバイルスキャナといえばPFUの「ScanSnap iX100」が有名です。A4片面で1枚ずつスキャンするので一度に大量の読み込みには向いていませんが、どこでもすぐ高品質なスキャンができるという安心感は大きいです。A3については見開きページの自動合成機能で対応しています。

 

 

(2)コンビニのマルチコピー機は場所の制約はありますが、もっとも高品質に連続ページのPDFが生成できるのがポイントです。読み込みサイズもA3まで対応していますが、カラーでもモノクロでも1スキャンあたり30円というコストがネックです。

 

 

(3)iPhoneのスキャナアプリもいくつかありますが、無料で使えるものでは「Scanner Mini」がおすすめ。自動で用紙のサイズに調整して取り込んでくれるので、撮影後のトリミング作業などが不要です。

 

 

Scanner Mini

【開発】Readdle
【価格】無料
【カテゴリ】App Store>仕事効率化

(4)Scanner Miniをプロ版にアップグレード(480円)すればアクションを追加して同時にドロップボックスとグーグル・ドライブにアップすることなどもできます。これによって、iPhoneだけでなくMacとの連係も楽に行えるわけです。

 

 

(5)Scanner Miniにはアイクラウド・ドライブに書き出す機能もあります。こちらもスキャンした書類をMacと連係する際に大いに役立ちます。

 

 

(6)3つのアプローチを8つの視点から評価してみました。いずれもメリットとデメリットがあるので、最適解は状況に応じて選ぶということでしょう。

 

 

【もっと媚薬】
オートフィーダ付きのマルチコピー機が設置されたコワーキングスペースを利用すればオフィス並みの作業効率が得られますが、都心でも場所が限られているのが実情です。利用料金も時間制が多いので、短時間で作業を済ませたい場合に利用するのが賢いでしょう。