2016.12.23
知れば知るほど奥深いSierraの仕組みを解き明かす
ファイルシステムはどう変化した?
9月20日にMacの最新OSである「macOSシエラ(Sierra)」がリリースされ、10月にはそのシエラがプリインストールされた新しいMacBookプロも登場しました。
タッチバー(Touch Bar)を搭載した今回のMacBookプロをはじめとして、ほとんどの現行MacはSSDを搭載しており、もはやHDD搭載の機種はデスクトップ型のiMacくらいです。他メーカーのコンピュータを見ても、今はSSD搭載機種のほうが主流となってます。では、そのディスクを扱う「ファイルシステム」はシエラではどう変わったのでしょうか?
ファイルシステムがOSの特徴
ファイルシステムというのはOSの一部で、ストレージを管理し、データを「ファイル」という形で格納する仕組みです。コンピュータの創世記には、データを保存したければ、コンピュータにつながっている「どのストレージ」の「どこからどこまでの領域を使うか」を、ユーザが自分で決める必要がありました。1つのストレージに1つのデータを収めるなら、それでもいいでしょう。しかし、10個、100個、1000個と扱うデータが増えてくると、さてどこにデータを収めたか、どこが使われている部分なのかがわからなくなってきます。
しかも、格納したファイルは最初の状態のままとは限りません。テキストファイルなどは編集することでサイズが増えたり、減ったりします。減ったらその空いたストレージ領域をどうするか、増えたらそのデータをどこに入れておくかなど、もはや人の手では管理しきれなくなっていったのです。
そこで、ストレージの管理をコンピュータ自身にさせる仕組み「ファイルシステム」が生まれました。ファイルシステムが搭載されたOSでは、利用者は「ファイル」という形でデータを格納すればいいだけです。データをストレージのどこに格納するか、ファイルサイズが伸び縮みしたときの対応をどうするか、アクセス権を用いたセキュリティをどう適用するか、なんてことは全部OSとファイルシステムが処理してくれます。1990年代以前は、OSはそれぞれ独自のファイルシステムを用意して、OSの必要な機能を活かしており、むしろファイルシステムの特徴こそがOSの特徴といえるくらい重要でした。