『やりぬく力』書評|MacFan

アラカルト トクホン。

『やりぬく力』書評

文●徳本昌大

「ソーシャルおじさん」こと徳本昌大氏がおすすめする今月の1冊

第17回 やり抜く力はあるか?「才能が大事」は努力しない人の言葉

 

「努力」と「情熱」こそが勝ち負けを決める

たしかに、私はクラスでいちばん頭がいいとは言えないかもしれない。でもきっと誰よりも、粘り強くやり抜いてみせる」それでもまだ父が聞いていたら、最後にこうつけ加えよう。「お父さん、長い目で見れば才能よりも重要なのは、グリット(やり抜く力)なのよ」(アンジェラ・リー・ダックワース)

元マッキンゼーの心理学者のアンジェラ・ダックワースはマッカーサー賞(天才賞)を受賞するほどの才女ですが、子どもの頃は父親から出来がよくないと愚痴られていたそうです。その彼女が見つけたのがやり抜く力(GRIT)です。多くの人は成功のためには才能が大事だと考えがちですが、実はやり抜く力のほうが重要なのです。

たとえば、オリンピック選手たちは試合までの長い道のりの中で恐ろしいほどの努力を積み重ね、結果に結びつけているのでしょう。しかし、それを私たちは、彼らには「才能があるから」だと決めつけ、「努力したから」だとは考えません。才能という言葉はそれほど便利で、これを使うと自分たちの努力不足を認めずにすむのです。




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