ジョン・スカリーが語る「適応型イノベーター」の思考法|MacFan

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「ナレッジ・ナビゲータ」の生みの親が語る現代のイノベーション

ジョン・スカリーが語る「適応型イノベーター」の思考法

文●牧野武文

2016年9月28日、29日、ワークスアプリケーションズ主催のフォーラム「Company Forum2016」にジョン・スカリーが登壇し、記者会見と講演を行った。著書『ムーンショット!(Moonshot!)』の中で語られた、現代のビジネスに求められる「適応型イノベーター」とはどのような人物なのかを、懐かしいアップルのエピソードも交えて語った。

ジョン・スカリー(John Sculley)

1939年4月6日生まれ。元ペプシコ社・事業担当社長。1983年から1993年までアップル・コンピュータの社長を務めた。マーケティングの専門家だが、テクノロジーにも造詣が深い。アップル在籍時代には、歴史上初のPDA(パーソナル・デジタル・アシスタント=携帯情報端末)「ニュートン(Newton)」を発売し、多くのファンを獲得した。

 

未来の始まり

ジョン・スカリーは、1983年から1990年までアップル(当時の社名はアップル・コンピュータ)の社長を務めた人物だ。当時、スティーブ・ジョブズとのタッグが注目され、2人のタッグは「ダイナミック・デュオ」とまで呼ばれた。しかしその後、スカリーとジョブズの関係は波乱に満ちたものとなる。

1977年に発表した「アップルII(Apple II)」が成功し、次に発表する未来的なコンピュータ(後のMacにつながる)の売り方を考えたジョブズは、マーケティングのプロであるスカリーを「このまま一生砂糖水を売り続けるのですか、それとも僕と一緒に世界を変えますか?」という言葉でアップルへ招聘した。

スカリーは当時米ペプシコ社の事業担当社長で、CMにマイケル・ジャクソンを起用したり、街頭で道行く人にロゴを隠した2つのコーラを試飲させ、人々がペプシを選ぶところを映したCMを放送したりといった施策によって、コカコーラを抜いてペプシコーラのシェアを1位に押し上げた功労者だった。




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