株式会社アイキューラボのおむつセンサー|MacFan

アラカルト アップルのミカタ

注目プロダクトのコダワリを知る

株式会社アイキューラボのおむつセンサー

文●栗原亮

なぜ、アップルのミカタをするのか? アップル製品を手厚くサポートするハード&ソフトウェアメーカーの担当さんに、その理由を聞いてみた!

育児と介護の世界を変える

子育て中の両親にとって、紙おむつの交換は大変な作業だ。その負担を減らすために各社から高性能な紙おむつが登場し、漏れ防止機能や吸水性能などが向上しているが、外から見ただけではおむつの状態を把握しにくくなり、交換のタイミングを測るのが難しくなっているという指摘もある。おむつの中を濡れたまま放置すると重くなるうえ、赤ちゃんの身体を冷やしてしまうという解決できない課題も多くある。

こうした問題を解決するためには、適切なタイミングでおむつの状態を知らせてくれる仕組みが必要だ。そのために台湾の産学連携開発チームが開発したIoTデバイスが「おむつセンサー」である。この製品の可能性に早くから着目し、1年半前から共同で開発を進めてきたのが、名古屋地区を中心にiPhoneアクセサリの輸入販売を行うアイキューラボ代表取締役を務める丸山和之さんだ。iPhoneアクセサリと紙おむつ用のセンサーという異色の取り合わせだが、丸山さんにとっては自らの関心事とピタリと一致したという。

 

 

 

おむつセンサー

【発売】株式会社アイキューラボ
【価格】6480円(税別6000円)
【URL】http://www.iqlabo.com
【PRODUCT SPEC】サイズ:40(W)×110(H)×12.5mm(D)/ネットワーク:Bluetooth 4.0/バッテリ容量:210mAh/作動距離:30メートル/対応:iOS 8.0以降、Android 4.3以降

COMPANY

アイキューラボはスマートフォンやタブレットなどのスマートフォン周辺アクセサリの輸出入・流通を主なビジネスとして展開している。主要市場は、日本を中心にアメリカ、東南アジア。また、グループ会社のアルファポイントでは、イベント運営、広告代理、ITソリューション、旅行代理業務など多数を手掛けている。

 

 

株式会社アイキューラボ/
株式会社アルファポイント
代表取締役 丸山和之さん

 

 

「育児用品と介護用品には共通性があります。私自身が住宅型有料老人ホームの役員もしているので、紙おむつの状態をiPhoneに知らせてくれるという仕組みに高い将来性を感じ、一緒に開発をすることになりました」

おむつセンサーの基本構造は、温度と湿度を検知するセンサーからの情報をブルートゥースLEでiPhoneなどのスマートフォンに転送するという比較的シンプルなものだ。しかし、実際の開発ではいくつもの問題が立ちはだかったという。

というのも、センサーは直接肌に触れるのではなく、紙おむつの外側からマジックテープのように貼り付けるという仕組みだからだ。紙おむつの素材によっては熱の伝導率などが異なるため、メーカーごとの差も感知できるようアルゴリズムの改良を行うなどの試行錯誤を行った。

「国内の主要な紙おむつメーカーは個体差も少なくしっかりしているので、ほぼ問題なく対応しています。ですが、海外製は紙とプラスチック素材を混ぜたものが多く、センサーが温度と湿度を検知するのが困難でした。検証を積み重ねることでリリースできるレベルとなりました」

おむつセンサーは低消費電力のブルートゥースLEを利用するため、最初に電池を装着したら約半年間は電池交換なしで利用できる。赤ちゃんがおしっこをすることで、おむつ内の温度と湿度が上昇するため、通常との差分を検知して、その状態を専用のiPhoneアプリに通知して表情のアイコンで状態を両親に伝えてくれるのだ。また、アップルウォッチでの通知にも対応しているので、家事などで目を離しているときでもすぐに知らせてくれる。センサーではおしっこの量が多い少ないのほか、1日の回数や男の子か女の子か、年齢といった情報もログとして蓄積され、クラウドで管理されている。

「一人一人のお子さんの情報を解析しているわけではないですが、こうした情報の総体をビッグデータとして取り扱うことで、紙おむつメーカーだけでなく医療機器の開発などにとっても有益な情報が得られます」

また、交換のタイミングをわかりやすく通知してくれることで、おむつ交換の負担を軽減し、大変な子育てをサポートしてくれるのも大きなメリットと言えるだろう。これから育児用品としての実績を積むことで、将来的には介護用品の分野へと発展させていきたいと語る丸山さん。

「温度、湿度のほか、含まれている成分を解析できるセンサーが低価格に利用できるようになれば、介護の負担軽減にも大いに役立つのではないかと期待しています。そのため、名古屋大学と共同で試験的なことができないか検討しています」

モバイルの世界を便利に

アイキューラボ以外にもさまざまなビジネスを展開している丸山さん。イベント企画・制作などを行うアルファポイントでは、飲食店などのお店の業務効率化とサービス向上を実現する画期的なソリューション「スマホオーダー(Smapho Order)」を展開。これは、来店客が自分のスマートフォンをお店の専用端末にかざしてチェックインすることで、自分のスマートフォンからお店のメニューを閲覧、注文・会計ができるものだ。混雑やホールスタッフの状況に関わらず、来店客のタイミングで注文を受けられるため、スタッフ不足の問題を解決しながら売上のアップを望めるなど、店舗オペレーションの効率を高めることができる。

また、同社では新たにモバイル端末ブランドの「WREDD」を起ち上げ、その第一弾としてSIMフリーのモバイルルータ「WR│R001」も全国で発売開始。常に立ち止まることなく新たなモバイルの可能性を追求する丸山さんの挑戦は続く。

 

 

株式会社アイキューラボ
取締役 佐藤文博さん

 

赤ちゃんの気持ちを伝える

国内主要メーカーの紙おむつに対応した取り外し可能なセンサーを、専用のバンドに装着しておむつの外側からマジックテープのように取り付ける。機能性だけでなく装着感の良さや耐久性、デザインにも配慮されている。

 

アプリで育児にイノベーション

iPhoneとはブルートゥースで通信する。温度や湿度を検知して常に送信して現在のおむつの状態をわかりやすい表情とサウンドで知らせてくれる。また、アップルウォッチへの通知も対応し、5人分まで同時に管理できる。

 

店舗でスマホでチェックイン

「smapho order」は来店客のスマホで注文から会計までができるソリューション。smapho orderを店舗内の専用端末にかざしてチェックインすることで、アプリにお店のメニューを多言語で表示、来店客が注文・会計ができるようになる。

 

SIMフリーのモバイルルータ

「WREDD」ブランドから、LTE対応のWi-Fiルータ「WR-R001」が登場。MVNO各社のAPN情報を搭載し、好みの格安SIMをすぐに利用開始できる。PCやスマートフォンなどのモバイル機器を最大10台まで同時に接続可能。