伝統と革新が共存する英国の手帳メーカー老舗「Filofax」が送り出す|MacFan

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伝統と革新が共存する英国の手帳メーカー老舗「Filofax」が送り出す

文●栗原亮

なぜ、アップルのミカタをするのか? アップル製品を手厚くサポートするハード&ソフトウェアメーカーの担当さんに、その理由を聞いてみた!

平和堂
【URL】http://www.filofax.jp?

 

 

文具ファンにはお馴染みの「ファイロファックス(Filofax)」といえば、差し替え可能なリフィル用紙を6穴バインダーで固定する「システム手帳」を開発した英国の老舗メーカーだ。“ファイロファックス”という呼称は今でも有力なブランドであり、特に欧米ではシステム手帳の代名詞として語られている。そのファイロファックス製品を3年前より日本国内で取り扱っているのが、文具商材や紙製品の製造販売を行う株式会社平和堂だ。

同社の常務取締役である堀口敦史さんによると、システム手帳(パーソナルオーガナイザ)は、もともと軍人や聖職者など固定オフィスを持たない職業の人々の情報管理システムとして急速に広まっていった歴史を持つ。第一次世界大戦の際には、膨大な物資管理を効率的に行うために利用され軍人からの需要も高く、いわば「現在のモバイルコンピューターの原点」でもあるという。

その後、冒険家や映画製作の現場でも愛用されたシステム手帳は次第にビジネスパーソンにも普及するようになった。しかし、2000年代以降は紙離れが進み、時折アナログの使いやすさが再評価されることもあったものの、世界的に減少傾向にあるという。その原因は電子手帳やPDAなどデジタルデバイスの普及だが、驚くことにiPadの登場後、ファイロファックスは再び注目を集め始めているのだと堀口さんは語る。

 

PRODUCER PROFILE

常務取締役
堀口敦史氏

 

ST事業部マネージャー
中口純也氏

 

 

「ファイロファックスはコンセプトをとても重要視する会社です。システム手帳のコア部分の価値を現代の市場ニーズに合ったものにしようとした結果、システム手帳とリフィラブルなノート、iPadなどを同時に持ち歩けるタブレットケースを発案、発表しました」

この新しいコンセプトのケースは、そのままでもノートや書類、スマートフォンなどを収納して利用できるが、別売りのiPad用のホルダを差し込むことで。タブレットケースやスタンドに早変わりする。このiPadホルダが別パーツになっているのが他社製品にはない魅力的なポイントで、iPadミニ、iPadエア、iPadプロの9.7インチと12・9インチという異なるサイズにそれぞれフィットさせられるほか、iPadの世代が変わって厚さやサイズが変わったとしても、ホルダだけ交換すればケースはそのまま使い続けられる。ホルダはiPad用のほか、サムスンのギャラクシータブレット用もラインアップされている。

「システム手帳は使い続けていくと愛着が湧いてくるものですので、そう簡単には変えたくないものです。一方でiPadは進化し続けますのでライフサイクルが異なります。このファイロファックスのケースであれば中身のホルダさえ変えればよいので、靴や財布のように自分のこだわりアイテムとして長く使い続けることができるのです」

また、一般的なiPadケースは数年での使い捨てを前提にデザインされているものが多く、色や素材の選択肢が限られてしまう傾向があるが、ファイロファックスでは長い期間どのような端末でも利用できるように設計されている。そのため、多様なユーザニーズに応えられるようにサイズはもちろん、素材、色のパターン、留め具のタイプなどが異なる充実のラインアップを揃える。その組み合わせは実に542パターンにも上る。ここまで多彩なバリエーションを持つタブレットケースはほかにはない。

「お客さんのケースに対する好みやニーズは多種多様で、さらに持っているiPadの種類もさまざまです。こちらが10のうち1から8を用意しても、残りの2つが欲しいとおっしゃる場合もあります。ファイロファックスのケースであれば、そうしたニーズにもほぼ確実に応えられるのがメリットです。たとえば、初代のiPadエアなど旧モデルであっても、ホルダさえ用意すれば自分好みのケースで利用できるのです」

ファイロファックスのケースは全国の百貨店や蔦屋家電、伊勢丹新宿本店といったセレクトストアで購入可能となっている。また、今後、取り扱い店舗を順次拡大する予定で、文具と電子系列のコーナーの両方での展開を考えているという。

「文具の世界では気に入ったものを30年使い続けるというお客さんも珍しくありません。伝統と革新を融合させたのが今回のタブレットケースであり、ただのデジタルアクセサリとしてではなく、長く使い続けられる製品として好みのものをチョイスしていただければと思います」

 

 

FilofaxのiPadケースのコダワリ

iPadホルダ

ケースには別売りのiPadホルダを使って装着する。別パーツとすることで、多くのiPadシリーズに対応するほか、新しい世代のiPadに買い替えたときもホルダだけ交換すれば、これまでのケースを使い続けられる親切設計。ホルダ部分が回転するので自由な向きで利用できるほか、ホルダの装着位置を入れ替えることで、左右どちらの利き手でも使いやすくなっている。

機能性

iPadホルダの固定具をケースに差し込むことによって横置きのiPadスタンドとしても利用可能。動画を視聴するときや、別途用意したワイヤレスキーボードで入力作業をしたい場合などに快適なスタイルだ。

収納性

すべての筆記用具をオールインワンで持ち運べるのがファイロファックスiPadケースの重要なコンセプト。ペンホルダにアップルペンシルなどを固定できるほか、内側のポケットにノートやメモ、iPhoneなどを収納することも可能だ。

 

 

PRODUCT FOCUS

 

豊富なバリエーション

本革や合皮といった素材のほか、色やテキスタイル(パターン)の組み合わせで200種類以上の種類からお気に入りのケースを選べる。ビジネスパーソンに人気なのは本革の黒モデルだが、ツートンカラーやネイビーなどその年の流行色も人気だ。

 

留め具の形状も選べる

ケースの留め具も選択可能で、シッパー式のほかストラップや伸縮素材、マグネット留めがある。自分の利用シーンに最適なものを選びたい。