2016.08.17
ITの発展で急速に変わりつつある日本のビジネス。そこで生まれる新しい挑戦には、何かしらの問題がつきまとうもの。そんな企業の悩みを「みらいチャレンジ株式会社」の徳本昌大氏と中野秀俊氏が、さまざまな観点から解決していく。今回のテーマは“BYOD”だ。
会社がBYODを認めづらい理由とは
ーー今回のテーマはBYOD。個人所有のデバイスを会社に持ち込み、業務に積極的に活用していく形態のことですね。最近は導入している企業も増えてきましたが、まだまだ私用のマシンを仕事に持ち込むことが許可されていない企業は多いです。それはなぜなのでしょうか。
徳本●前提として話しておくと、そもそもBYODを認めるわけにはいかない業種や職種もたくさんあります。公的機関や保険業務を行う会社など個人情報を扱っているような組織は、情報を漏洩させるわけにはいかないからBYODは無理だろうね。それは仕方ない。だから、ここではそれ以外の会社員について話していきたいと思います。
中野●たしかにBYODについて語るなら、まず出てくるのはセキュリティの問題ですからね。個人情報のような機密性の高い情報を扱っているのは論外としても、会社として外に漏らすわけにはいかない情報は多々あります。私用のマシンで仕事することを認めると漏洩のリスクが増すと考える経営者は多いでしょう。ちなみに徳本さんは前職ではBYODされていたのですか?
徳本●僕は前に広告会社にいたんだけど、自分のMacBookエアをBYODで使っていました。会社からはウィンドウズを支給するって言われたんだけど、僕はMacじゃないと手が動かないの(笑)。そんなんじゃ生産性が上がらないから、自分のMacを持ち込んでいました。ただ会社の基幹システムにはつないでくれなくて、それでもMacじゃないと仕事ができないって言ったら最後には会社のほうでMacを買ってくれたけどね。
中野●それもすごいですね…。でもBYOD自体は認めてくれていたんですね。
徳本●実はデスクトップであればMacは社内にあったんだよね。だけど僕は外出が多いからノート型のMacじゃないと仕事にならない。おそらくこの場合、会社としては新しいノート型のMacを買う費用負担が嫌だっただけじゃないかな。だけど、一般的にBYODを経営者が認めないのは、そういうことではないよね。
中野●そうですね。会社がBYODを認めたがらないのは、経営者から見て、そこにさまざまな問題点があるからだと思います。
徳本●問題点って?