2016.07.15
この夏公開されるゴジラ・シリーズの最新作「シン・ゴジラ」には、なんとiPhoneだけで撮影されたシーンがあるという。超大作映画に使用する映像を、従来の業務用シネマカメラではなく私たちも手にするiPhoneで撮影した、その意図とは?iPhoneを活かした映像作りのキーパーソン3人に話を聞いた。
「シン・ゴジラ」
2016年7月29日、全国東宝系にて公開
脚本・総監督:庵野秀明
監督・特技監督:樋口真嗣
准監督・特技統括:尾上克郎
出演:長谷川博己 竹野内豊 石原さとみ
©2016 TOHO CO.,LTD.
現代日本に初めてゴジラが現れたとき、日本人はどう立ち向かうのか?
大作映画の中のiPhone
映画「シン・ゴジラ」の撮影において、さまざまなシーンに用いられたiPhoneカメラ。その特性を遺憾なく発揮したのが、東京湾アクアラインの中央に位置する「海ほたる」の海底トンネルが水没し、避難者が誘導されるショッキングなシーンの撮影だ。ここでは避難民が自分のiPhoneを使った実況動画をインターネットに投稿するなど、現在を象徴するような使われ方をしている。
このパートを担当したのは本編撮影をサポートするC班で、主に映画内に流れるニュース映像や本編の別アングルを撮影するのが本来の役割だ。そのC班の監督である石田雄介監督が撮影時の状況を語ってくれた。
「海底トンネルの断面は上下2層構造になっていて、上の車道は僕が率いるC班、キャストが登場する下の避難道では樋口監督がそれぞれiPhoneで撮影しました。撮影のために車道は1車線お借りして、車を10台以上並べてエキストラも何十人というかなり大規模な撮影だったのですが、カメラマンが持っているのはiPhoneだけという今の映画作りの“リアル”を象徴するような光景となりました」
iPhoneで追求されたのは徹底的な「リアリティ」