アラカルト 林檎職人

工芸にデジタルを取り入れた陶芸家たちの「次世代の美」への挑戦

[インタビュー]secca(上町達也、柳井友一)

文●氷川りそな写真●森崎和宏、氷川りそな

Macを用い、世の中にとって「新しいもの」を生み出していくクリエイターたちに迫る本連載。今回登場するのは、現代陶芸家集団「secca」の二人だ。

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上町達也(Tatsuya Uemachi)secca inc. CEO

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大手カメラメーカーにて新企画製品のデザインに従事していたが、2011年の東日本大震災の経験をきっかけに「一度しかない自分の人生で本当にやりがいのあるものとは何なのか」を改めて自問。大学時代を過ごした金沢で再び活動し始める中、「ものづくりと食」というキーワードを見出だす。

 

柳井友一(Yuichi Yanai)secca inc. CCO

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家電メーカーにてオーディオ、ビデオカメラのデザインに従事した経験から、インダストリアルデザイナーとしてのキャリアはあったものの、陶芸に関する知識は「まったくなかった」という。2012年に金沢卯辰山工芸工房に入り、基礎を学びながら「永く価値の変わらぬモノ」を創造できないか模索し始めた。

 

 

( 職人とその道 )

 

伝統と最先端の融合

北陸の古都、石川県金沢市。昨年の北陸新幹線の開通に伴い、観光名所として人気を集めているこの街は今、ものづくりの街としても世界中から高い関心が寄せられていることをご存じだろうか。その一端を担うのが工芸界に熱い風を巻き起こしているデザイン集団、「secca(雪花)」だ。

seccaは陶芸を中心に、特に和食器の分野で話題になっている。特徴的なのはその製造手法だ。手作業が基本だった工芸にCAD(コンピュータ支援によるデザイン設計)と3Dプリンタという、現代的なインダストリアルデザインで使われるものを持ち込んだ。

人の手だけでは作れないような複雑な形状を、CADの手を借りてアイデアを広げ、3Dプリンタで試作品をサンプル出力する。実物を確認しながら作られた最終版から型を作り、陶磁器などに展開する。こうした過程を経て出来上がったseccaの器は単に物珍しいというだけではなく、第10回国際陶磁器展美濃デザイン部門で金賞を受賞(柳井友一氏の個人受賞)するなど、そのレベルの高さは誰が見ても確かなものだ。

今までにないような造形を持つseccaの作品は、日本有数の料亭を構える金沢の料理人たちの間でも、すぐに話題になった。その道のプロの目で見ても面白く、想像力をかき立てるようなデザインを持つ器の評判はあっという間に広まり、雑誌にも取り上げられるなど、その作品の素晴らしさは加速度的に周知されていった。




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