2016.01.26
この時期になると「この1年を振り返る、来年はどうなる」という記事を見るが、面白くない。だったら、こちらは「この10年を振り返る」をやってみたい。なぜなら、初代iPhoneが発表されたのは2007年1月。ほぼ10年になるからだ。アップルはこの10年をどう変えた? これからの10年をどう変える? これが今回の疑問だ。
モバイルファーストの時代がもたらしたもの
私たちMacユーザにとってiPhoneの登場は大きな出来事だったが、世の中に大きなインパクトを与えた。当時インターネットは生活に浸透していたものの、あくまでもパソコンから使うメディアチャンネルのひとつで、テレビや新聞、映画と並ぶものでしかなかった。しかし、iPhone以降はネットが最優先のメディアで、その次にほかのメディアがくる意識へと変わった人も多いだろう。私たちの身体の周囲はモバイルインターネットが寄り添い、その外側に各種メディアが取り囲んでいる感覚になった。つまり「モバイルファースト」の時代になったのだ。
このモバイルファースト化の前後を比べてみると、私たちの暮らしは激変していることがわかる。たとえば、若者のワンルームでの生活は10年前と今ではがらりと様子が違っているのだ。一部のマニアを除いてオーディオ機器を持っている人はほとんどゼロに近く、iPhoneやブルートゥーススピーカを使ってアップル・ミュージックなどを楽しんでいる。