2015.12.10
昔に比べたら差は縮まっているものの、今でもMacの価格はPCよりも高い。それが企業でMacが採用されない最大の理由になっている。しかし、自社社員がMacを選択できる「Mac@IBMプログラム」を開始したIBMによると、Macの価値は調達コストの差を補って余りあるようだ。
予想を上回るMac使用率
IBMは早くからiOSデバイスを同社の業務に導入し、昨年4月にはiOSを用いた企業向けモバイルソリューションの提供でアップルと提携した。IBMはモバイルにおけるアップルのビジネスパートナーであり、大きな顧客でもある。そんなIBMでも、Macの導入を開始するまでにはしばらく時間がかかった。PCに比べると価格が高く、新しいプラットフォームを追加するには専用のサポートチームを用意しなければならないため、コスト増に二の足を踏んだのだ。
この春にMacの導入に乗り出したのは、iOSデバイスの導入が成功したことと、多くの社員からMacの採用を求められたからだ。調達コストの問題についても、パートナーシップを通じてアップルの企業文化に触れ、同じグローバル企業であるアップルの効率的なデバイス管理に一考の価値を認めた。そして、まずはBYOD(Bring Your Own Device、私的デバイスの業務活用)でMacの使用を解禁した。
フォレスターリサーチの分析によると、企業で社員がMacの使用を求める理由のトップは「仕事のツールの選択」である。そして、ツールをみずから選択したい理由のトップは「生産性の向上と効率化」である。それらの実現はワークライフバランスの向上にもつながる。