2015.09.01
とある企業での話。最近導入したシステムでどのような成功事例があるかをヒアリングしたところ、「お客様に見積もりなどの書類をメールで送るものがあるのですが、これが評判よくて。これまでは書類をファクスしたり、お客様の自宅にうかがって手渡ししたりしていたんですが」という話を聞いた。この企業、日本を代表するどころか世界的にも有名な自動車メーカー。その販売会社で導入したシステムらしいのだが、話を聞いていて、過去にタイムスリップしたような気分になった。
システムは2014年に導入したとのこと。はるか10年前には、インターネットの人口普及率は66%、電子メールを利用することが多い携帯電話の普及率は72%であった。しかも、この人口普及率を押し下げているのは未成年と後期高齢者であるため、自動車の主な購買層である20代から60代でいうと、おそらく90%を超える人たちがとうの昔に自由に電子メールを使っていたはずである。確かに、私の経験でも、自動車や不動産などの業種の営業マンは、仕事をしている昼間の時間帯に何度も電話をかけてきたり、自宅に訪問してくることが多い。高額商品なので、できるだけ感情の伝わるコミュニケーションを重視することは理解できるが、書類のやりとりなどの事務処理まで電話や対面でする必要はない。