野呂エイシロウの「ケチの美学」第64回|MacFan

アラカルト ケチの美学

野呂エイシロウの「ケチの美学」第64回

文●野呂エイシロウ

人気放送作家が語るケチとアップルの交差点。

すぐに切り替える

何があってもすぐに切り替える──そんな能力を、身につけようと思う。

タクシーの運転手やコンビニエンスストアのアルバイトの接客態度がちょっと悪くても、「そんな人もいるさ。地球には70億人もいるんだし」と思うようにしている。暴露系ユーチューバーの動画を見て少し不快に感じても、「こういう人もいるよな」と自分に言い聞かせる。

戦争だって同じだ。「戦争が起こっている」という事実だけを受け止めて、平和を祈るだけにしている。そこに10秒も感情を割いてはいけないと、ボクは心に誓っている。自分のできることだけを考えるのだ。戦争に関して、世界平和を祈る以上のことは、ボクの範囲外である。最初から諦めるのだ。

最近、知り合いが亡くなった。悲しいと思ったが、その感情には1時間程度で折り合いをつけた。知人と酒を飲んで、気持ちを切り替えた。

以前までのボクは、物事を引きずるタイプだった。1つの事柄を何時間も、何日も、何年も引きずることが結構あった。ぐずぐずと、ずっと悩みがちだった。そのせいで鬱になったこともある。その結果、1つのことを「ぐずぐず悩む」ことがNGであることがわかった。何事も切り替えが必要である。

そんなボクでも、訓練することで気持ちを切り替えられるようになった。専門家によるコーチングの力も大きい。僕は毎月コーチングを受けている。

ゴルフを始めたら、さらに上手く気持ちを切り替えられるようになった。まだまだ僕は下手なので、ゴルフ場で110打のスコアを叩くことがある。そんなときには、とにかく気持ちを切り替える。失敗したら、すぐに心を切り替えなければいけない。引きずると、その日の残りのプレイが全部ダメになってしまう。

成功も失敗も、その都度ちゃんと忘れることが大切である。人は成功すると図に乗ってしまうことがあるが、そうすると、そのあとどんどん失敗してしまう。

仕事でもなんでも同じである。ダイエットだって、調子に乗るとすぐにリバウンドしてしまう。

一度きりの人生、失敗は山のようにある。ボクだって、仕事の9割は失敗している。だから、いかに上手に切り替えられるかがポイントだ。

ケチなので、できる限り楽して生きていきたい。そのために今日も、気持ちを切り替えるのだ。

 

香りを使って気持ちをリセット。脳にガツンと入る!

 

 

EishiroNoro

放送作家、戦略的PRコンサルタント。毎日オールナイトニッポンを朝5時まで聴き、テレビの見過ぎで受験失敗し、人生いろいろあって放送作家に。「元気が出るテレビ」「鉄腕DASH」「NHK紅白歌合戦」「アンビリバボー」などを構成。テレビ番組も、CMやPRをヒットさせることも一緒。放送作家はヒットするためのコンサルタント業だ!と、戦略的PRコンサルタントに。偉そうなことを言った割には、『テレビで売り上げ100倍にする私の方法』(講談社)『プレスリリースはラブレター』(万来舎)が、ミリオンセラーにならず悩み中。