野呂エイシロウの「ケチの美学」第54回|MacFan

アラカルト ケチの美学

野呂エイシロウの「ケチの美学」第54回

文●野呂エイシロウ

人気放送作家が語るケチとアップルの交差点。

反省をしない

最近、「反省する」ことをやめたら、いろいろなことがうまくいくようになった。

これまでボクは、失敗したり、物事がうまく行かなかったりすると、結構反省していた。「もっと早くやればよかった」「あんなにお金を使わなければよかった」などなど。反省するたびに、落ち込んだり、考え込んだりして、時間だけが進んでいた。

先日、とあるユーチューバーの動画で、「赤ちゃんは反省しない」「人間以外の動物は反省しない」などと述べられていた。そのとき、自分の脳の中で何かが弾けた。「シュワー」っと弾ける音がしたのだ。「なるほど」と強く感銘を受けた。

これまで、なぜボクは反省していたのだろうか? もちろん、ボクも人間だから失敗もある。人から叱られることだってある。だから、そのたびに本気で反省をしていた。

でも、赤ちゃんやほかの動物が反省という行為をしていないということを知ってから、ボクも反省しないことに決めた。

もちろん、自分に非があり、他人に迷惑をかけてしまった場合、反省しているフリはしている。「野呂は暴走中だ!」「アイツは反省しない」と怒られるのはよくない。それでは社会で生きて行けなくなるだろう。だから「反省しているフリ」をしているのだ。正直、ボクの周りの人間には、この原稿を読んでほしくない。懸命に反省しているフリをする…ということが大切である。

さて、反省することをやめると、一体どうなるのか? それは“加速”がすごくなるのだ。何が起こっても、「仕方ないよね」と自分の中で思い込むようにする。そうすることで、次へ次へとスピーディにつながっていくのである。つまり、結果が生まれやすくなるのだ。

反省は、ボクにとっての地雷でしかない。ほかの人は、ボクにしっかり反省してほしいと思うかもしれないが、ボク自身の心の中では、反省はまったく必要ない。反省したところで、結果は変わらない。人生を変えるのは、常に行動だけである。

つまり、ボクの中では「反省=ブレーキ」なのだ。よくよく考えると、今までは、反省して元気がないフリをしていたのかもしれない。反省している様子を見せて、「野呂さん、大丈夫?」「気にしなくて大丈夫だよ」「どんまいどんまい!」と他人から同情を買いたいなと思っていたのだ。

その昔、安達祐実さん主演の大ヒットドラマで「同情するなら金をくれ!」というセンセーショナルな台詞があった。そのとおりである。同情を買っている暇などない。過去を振り返ることではなく、未来に前進することが、何よりも大切なのだ。“反省しない男・野呂エイシロウ”の誕生である。反省をやめた今のボクは、以前よりもスピード感が増している。

 

目の前にある仕事はとにかく進める。常に行動あるのみ!

 

 

EishiroNoro

放送作家、戦略的PRコンサルタント。毎日オールナイトニッポンを朝5時まで聴き、テレビの見過ぎで受験失敗し、人生いろいろあって放送作家に。「元気が出るテレビ」「鉄腕DASH」「NHK紅白歌合戦」「アンビリバボー」などを構成。テレビ番組も、CMやPRをヒットさせることも一緒。放送作家はヒットするためのコンサルタント業だ!と、戦略的PRコンサルタントに。偉そうなことを言った割には、『テレビで売り上げ100倍にする私の方法』(講談社)『プレスリリースはラブレター』(万来舎)が、ミリオンセラーにならず悩み中。