完全オフラインで安全に作業できる 「会計ジロウ」で日々の業務を効率化|MacFan

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会計・経理業務の「困った…」をスッキリ解決!

完全オフラインで安全に作業できる 「会計ジロウ」で日々の業務を効率化

文●栗原亮

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会計業務はクラウド化が進んでいるが、一人会社や家族経営の会社、小規模な会社にとっては、運用や習熟コストが高いのが課題だ。その点Macで開発された会計ソフト「会計ジロウ」は、逆転の発想でこの問題を解決してくれる。本ソフトが有する優れた使い勝手を見ていこう。

 

会計ジロウ

【開発】治郎吉商店
【価格】2万7500円(税込)
【URL】http://kaikeijirou.com

「会計ジロウ」は標準的な企業会計機能を有した「法人向けプラン」のほか、フリーランスなど免税事業者の「青色申告向けプラン」があり、現在NPO法人向けのプランも開発中。1年間のサポートが付属し、2年目以降の延長サポートは7700円と比較的リーズナブル。なお、特殊な会計ルールが必要な場合、開発元にカスタマイズを依頼可能だ(別途有料)。

 

 

独立起業の強いミカタ

日本国内の企業数は年々減少傾向にあることが各種の公的な調査で明らかになっている(注1)。一方で、2021年4月の新設法人数は昨年同月比で39・2%増加(注2)するなど、社会の変化に対応すべく「新陳代謝」が進んでいる現状がある。

新設法人の多くはベンチャーや独立起業などの小規模事業者だが、事業を営むうえで不可欠なのが法人の収支を管理する会計・経理業務だ。近年はこうした業務をSaaS(Software as a Service)で提供する「クラウド会計」サービスが増えており、会計の専門知識に乏しくても経営状況を把握しやすくなった。

かくいう筆者自身も小規模法人の代表を務めているが、クラウド会計にはいくつかの課題を感じている。利便性とは表裏一体ではあるものの、インターネット接続が必須なため安全性に不安が残ること、銀行やカードなどの外部API設定が煩雑なこと、サービス運営側がUI(ユーザ・インターフェイス)を変更すると操作に混乱が生じること、元データがクラウドにあるためMacのローカル環境にバックアップファイルとして保存しにくいことなどが不満点だ。

また、多くのサービスがサブスクリプション課金のため、小規模法人でも毎年3万5000円程度の維持費が掛かるのは悩ましい。経営者として必要性は理解しつつも、毎年の固定費は極力抑えたい本音もあるためだ。

Macの機能を有効活用

筆者のような悩みを抱える方に使ってみてほしいのが、会計ソフト「会計ジロウ」だ。本ソフトには、いくつかのユニークな特徴がある。まず、経営者が自分で会計データを操作することを想定している点だ。伝票からの仕訳入力は総勘定元帳や月ごとの損益推移表などに自動で反映され、賃借対照表など決算に必要な書類も手間なく作成される。

もちろん、こうした基本機能はほかの会計サービスも備えている。しかし、会計ジロウはクラウドサービスと異なり、完全にオフラインの環境でも安全に作業できるのが大きなアドバンテージと言える。

また、帳簿はデータベースのファイルとして保存されるので、オフラインといってもアイクラウド・ドライブへの保存やタイムマシン(Time Machine)によるバックアップや復元にも対応する。Mac標準機能を利用するため、トラブルの心配が少ないのも利点に感じられる。さらに、実務的な話だが税理士や公認会計士はウィンドウズユーザが多い傾向がある。会計ジロウはウィンドウズ版もあるため、帳簿データの互換性が確保されているのもメリットだ。

利用には複式簿記の知識が最低限必要なものの、操作性がシンプルなため慣れてしまえばむしろ効率的に作業できる。専任の経理担当者を雇用する余裕の少ない小規模法人のMacユーザにとって有力な選択肢となり得るはずだ。

(注1)総務省統計局「産業別企業等数と売上(収入)金額」)
([URL]https://www.stat.go.jp/data/nihon/07.html)
中小企業庁「令和元年度(2019年度)の中小企業の動向
([URL]https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2020/chusho/b1_3_1.html)
(注2)帝国データバンク「2021年4月の新設法人数、前年同月比39.2%増の15,931件」
([URL] https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000294.0000 43465.html)

「会計ジロウ」のここがイイネ!

❶安定したインターフェイス

画面は非常にシンプルで、会計年度や開始残高など最小限の設定さえ済ませれば、伝票から仕訳入力するだけで日々の作業は終了。背景バナー画像が入れ替えられるなど、Macらしい「遊び心」も感じる。

 

❷消費税も自動計算される

振替伝票の入力は借方、貸方のコードと金額を入力すればOK。消費税については自動計算されるので課税事業者にとっては便利だ。科目選択画面で補助科目まで登録すればさらに効率的な入力ができる。

 

❸「あとで確認」機能で修正も簡単

伝票入力時に[あとで確認]のチェックを入れておくと、ほかの伝票で黄色くマークされる(選択行は緑色)。あとから伝票の検索や修正を行う際に、どの振替伝票のデータと関連しているかが一目でわかりやすく表示される。

 

企画協力●株式会社治郎吉商店