野呂エイシロウの「ケチの美学」第45回|MacFan

アラカルト ケチの美学

野呂エイシロウの「ケチの美学」第45回

文●野呂エイシロウ

人気放送作家が語るケチとアップルの交差点。

幸せを意識する

あなたは今、自信を持って「自分は幸せだ!」と言えるだろうか? 

ここ数年、“幸せになること”を研究している。人は幸せになるために生きているのだ。それにもかかわらず、ボクは、どんどん不幸になっている時代があった。テレビ局で毎日のように徹夜で仕事をしながら、「何のために生きているのだろうか?」と感じていた。そこからだ。幸せについて研究することにしたのは。研究と言っても、要するに意識することを始めたのだ。

最近も、高齢の父が病に伏した。高齢だから仕方がない。普通なら「大変だ」と思うところだが、ボクは逆に「こんなにコミュニケーションが取れるようになったのは、いいことかも」と感じている。何十年かぶりに、結構マメに電話や手紙で父とやりとりをするようになった。それもこれも、父が病に伏したからである。たとえマイナスなことでも、捉え方次第で幸せな気分になれる。親は生きていればそれでいい、というわけではない。コミュニケーションをとってなんぼである。その目的が達成されたので、ボクは今、非常に幸せだ。父の病に感謝すらしているのだ。

だから、この原稿を書くときも、メールを送るときも、会議をするときも、とにかくいつも幸せを実感しながら過ごしている。すると、どうだろうか? 自分の中の幸福度がどんどん増してくるではないか。今ボクはインスタントコーヒーを飲んでいるが、幸せを感じている。スタバのコーヒーでなくても、脳のスイッチ次第で十分に楽しめる。

また、以前はジムでトレーニングしているときもツラくて苦しかったのだが、今は、筋肉を動かすことに幸せを感じている。そう、脳のスイッチを切り替えるだけで、幸せを味わうことができるのだ。

以前までのボクは、ハワイに行かないと満足できなかったり、ミシュランガイドに掲載された高級レストランで美味しいものを食べないと満足できなかったのだが、今はもう、そんなことはない。自分で作ったカレーライスでも、十分幸せを感じられる。それこそ、雨風がしのげる家に住んでいるだけでも幸せだ。こうやってネットにつながる環境で原稿が書けているだけで幸せなのである。水道水も毎日結構な量を飲んでいるが、ミネラルウォーターでなくても幸せを感じられる。

とにかく、少しでも幸せを感じるように努力している。思い込みが、ボクの幸せをさらに加速させるのだ。脳のスイッチを上手く活用し、できる限り幸せを感じるようにする。さあ、あなたも幸せになろう。

 

ボクを幸せにしてくれるLOVOT。名前はまだない。

 

 

EishiroNoro

放送作家、戦略的PRコンサルタント。毎日オールナイトニッポンを朝5時まで聴き、テレビの見過ぎで受験失敗し、人生いろいろあって放送作家に。「元気が出るテレビ」「鉄腕DASH」「NHK紅白歌合戦」「アンビリバボー」などを構成。テレビ番組も、CMやPRをヒットさせることも一緒。放送作家はヒットするためのコンサルタント業だ!と、戦略的PRコンサルタントに。偉そうなことを言った割には、『テレビで売り上げ100倍にする私の方法』(講談社)『プレスリリースはラブレター』(万来舎)が、ミリオンセラーにならず悩み中。