旭東エレクトロニクスさん「内蔵SSD」の選び方と使い方を教えて!|MacFan

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旭東エレクトロニクスさん「内蔵SSD」の選び方と使い方を教えて!

文●山田井ユウキ

アップル製品を手厚くサポートするハード&ソフトメーカーの新製品について担当者に直撃!

保証の内容や期間に注目

価格もこなれて買いやすくなったSSD。中でも「内蔵SSD」が注目されている。気になる内蔵SSDの選び方と使い方を、旭東エレクトロニクスに教えてもらった。

 

MF●旭東エレクトロニクス様について教えてください。

中尾●大阪に本社を置き、メモリやストレージといったPCパーツ、周辺機器を開発、製造、販売しています。製品企画からサポートまですべてを国内で行っている数少ない企業であり、自社管理工場を持っているため品質管理を徹底できるのが強みです。故障が少なく業務用としての信頼性が高いため、主に法人様向けのPCへの組み込みやBTOなどに採用いただいております。

MF●コンシューマ向け製品は?

中尾●あります。もともと法人様の多様なニーズに合わせて豊富な製品を用意しており、それがコンシューマ向け製品にも活かされています。たとえば内蔵SSDですと、120GB、128GB、240GB、256GBなど容量ごとに細かくご用意があり、最大2TBまでフルラインナップを揃えています。

MF●内蔵SSDの選び方について教えてください。

中尾●容量やサイズ以外だと、保証内容や期間がポイントでしょう。海外メーカーの製品はサポートも海外対応になることが多いので時間がかかります。弊社の場合は国内サポートなので、お待たせすることもありません。弊社の製品は3年保証なので、1年程度しか保証がない多くの製品と比べると、安心して使っていただけます。

MF●内蔵SSDの故障の症状は?

中尾●初期不良で、接続しても認識しないなどの故障があります。ただ、HDDに比べるとSSDは故障自体が少ないでしょう。SSDはHDDよりも衝撃に強く、省電力で大きな熱を持ちにくい、高温になりにくいのがメリットですね。

 

ケースに入れて外付け利用

MF●SSDを選ぶ際のポイントは?

中尾●SSDにはNANDフラッシュというテクノロジーが使われていて、いくつかの種類があり、耐久性や価格などが変わります。選ぶときに注目してみてください。

MF●どのような種類があるのでしょうか。

中尾●大きく分けてSLC(シングル)、MLC(マルチ)、TLC(トリプル)、QLC(クアッド)という4種類があります。SLCがもっとも耐久性が高く書き換え回数も多いのですが、非常に高価で法人様向けです。QLCは最近登場した新技術で、安価ですがまだ安定性が良くないので、市場で多く流通するには少し時間がかかります。

MF●となるとコンシューマ向けとしての選択肢はMLCかTLCになるのでしょうか。

中尾●そうなります。さらに近年では、大容量化を実現するための3D NANDという技術が登場しており、これとTLCを組み合わせた3D TLCも製品化されています。従来のTLCよりも性能、信頼性のどちらも向上していますので、コンシューマ向けとしておすすめできます。

MF●ほかに注意すべき点は?

中尾●内蔵SSDの場合、NVMeとSATA 3.0の2種類の規格があり、それぞれ端子の形状が異なりマシンによっては使えないことがあるので注意してください。速度面ではNVMeが有利ですが最近の機種にしか使えません。SATA3.0は十分な速度が出て筐体をコンパクトにできます。

MF●最近のMacは内蔵SSDの換装が現実的ではありません。換装する以外に内蔵SSDを有効活用する方法はありますか。

中尾●市販されている外付けケースに入れることで、外付けSSDとして使うことができます。一般的なケース一体型の市販品より、安価になることもありますね。また、Windows PCやプレイステーション4などのゲーム機はSSDの換装ができるものがありますので、Mac以外にそうしたマシンを持っている場合は、内蔵・外付けの両方に使いまわしがきく分、内蔵SSDを選ぶほうが汎用性が高いといえます。

 

営業部セールスマネージャー
中尾秀樹さん:保証内容や期間が選ぶ際のポイントです

 

旭東エレクトロニクスはメモリやストレージの専業メーカー。組み込みの業務用製品で培われた様々なノウハウをコンシューマ製品に展開している。

 

商品のラインナップが豊富なのは、業務用製品の多様なニーズに対応した結果だとか。

 

旭東エレクトロニクスの製品
「SE800 2.5" SATAⅢ」はこんな人にオススメ!

3D TLC NANDを採用して、省電力・高速・高コストパフォーマンスを実現した厚み7mmの2.5インチの内蔵SSD。容量によっても異なるが、読み込みは最大で530MB/秒、書き込み性能500MB/秒を誇る。

S.M.A.R.T.機能(自己管理解析報告技術機能)に対応し、内部で生じた不調を検出して動作不良が起きそうな場合に警告を出す。また、使用時間経過による速度低下を回避するTRIM機能や、読み込み/書き込み性能を向上させるSLCキャッシュも備えている。

容量別に120GB、128GB、240GB、256GB、480GB、512GB、960GB、2TBの8種類をラインナップして、幅広いユーザーのニーズに応えている。継続的に負荷が高い処理を行うハイエンドアプリケーション向けに最適な内蔵SSDだ。

【価格】オープンプライス
【URL】https://suneast.co.jp/ssd_25sata.html

 

Macでも、内蔵SSDをケースに入れることで外付けSSDとして活用することができる。本体サイズも100.45 x 69.85 x 7mmと小型なので扱いやすい。

 

保証期間が3年と長く、国内メーカーなので対応もすばやいのがうれしい。手厚いサポートは品質に対する自信の表れともいえる。

 

旭東エレクトロニクスの製品
「SCSSD25S2」はこんな人にオススメ!

基本的なスペック、外観はSE800 2.5"SATA SSDを踏襲するが、より高性能化を図っており、大量書き込み時でも速度の大幅なダウンがしにくい設計になっている。最大のポイントはUSB-C端子を備えていること。対応したケーブルを挿すことで、外付けSSD としても使用できる(パッケージにはUSB Type Cケーブルも同梱される予定)。これにより、普段は外付けSSDとしてMacで活用し、ウィンドウズPCやゲーム機を購入したあとは換装用の内蔵SSDとして活用するといった“二刀流”での使用が可能になっている。近年発売されたMacは内蔵SSDの換装 が難しい事情もあり、むしろ外付けSSDとして利用するほうが多いかもしれない。内蔵で使うにせよ、外付けで使うにせよ、高いパフォーマンスを安心して享受できるSSDといえるだろう。

【価格】オープンプライス(5月中旬発売予定)
【URL】https://suneast.co.jp

 

最近のMacBookなど内蔵SSDの換装が難しいモデルを使っている場合は、USB-Cケーブルを挿すことで外付けSSDとして使用したい。

 

MacBook Pro 2018年モデルと本製品をThunderbolt 3でつなぎ、「Blackmagicdesign Disk Speed Test」で計測した結果、読み込み518.9MB/s、書き込み459.6MB/Sという速度を記録した。負荷が高い処理にも耐えられる優秀な性能だ。

 

 

安心のclass10規格でラインナップが豊富なマイクロSDカード

メモリやストレージといった周辺機器に強い旭東エレクトロニクスは、SSD以外にもさまざまな製品を製造・販売している。なかでも一般的になじみがあるのがマイクロSDカードだろう。8GB、16GB、32GB、64GB、128GBと5タイプの容量をラインナップし、UHS-I class10規格対応で最大98MB/秒の高速データ転送を可能にしている。class10とは読み書き時のスピードが最低でも10MB/s保証される規格。classには2~10まであり、数字が大きいほうが性能が高い。見た目はどれも同じなので紛らわしいが、SDカードを購入するなら特に事情がない限りはclass10を選ぶのが正解だ。

マイクロSDカードは、安心のUHS-I class10規格対応製品を選びたい。5月中旬には256GBと512GBが発売予定で全7タイプに。