2019.04.09
新モデルのポイント
●プロセッサが最新世代へと刷新
●グラフィックスもアップデート
●それ以外は主に2017年モデルを踏襲
●パフォーマンスの向上が大きな変更点
●Apple T2チップは非搭載
●価格は従来のまま据え置き
プロセッサの刷新
新しいiPadミニとiPadエアが発表された翌日、もうひとつのビックサプライズとして登場したのが、新しいiMacシリーズだ。思い起こせば、前モデルが発表されたのは2017年6月のこと。実に1年9カ月ぶりの新モデルの登場となる。
iMacはMacの代名詞ともいえるオールインワン型のデスクトップマシンで、はじめての1台からプロフェッショナル用途の1台まで、ユーザのあらゆるニーズをカバーするマシンだ。2017年12月から発売されている上位のiMacプロがワークステーションクラスのパフォーマンスを求める“限られたプロ”向けの最高峰デスクトップであるのに対し、iMacはいつの時代でも“すべての人”向けのマシンといえる。
2017年モデルからiMacの主力は、レティナ(Retina)ディスプレイを搭載した21・5インチの「iMacレティナ4K」と27インチの「iMacレティナ5K」になっている。21・5インチの“レティナではない”iMacも引き続きラインアップされているが、このモデルは今では数世代古い第7世代のインテルプロセッサを搭載しており、その12万800円という価格からも、性能や機能にはこだわらないがとにかく安価なデスクトップMacが欲しい人向けのエントリーマシンとなっている。もちろん、最新のmacOSモハベ(Mojave)が動き、今のMacがオファーする体験を問題なく味わえるが、今後数年以上使うことを想定するならば予算の許す限り、“レティナ”が選びどころだろう。今回のアップデートも、iMacレティナ4Kとレティナ5Kの刷新だ。
何が変わったの?
さて、新しいiMacでは何が変わったのか? 詳しくは次のページのスペック表を見ていただければ思うが、中でももっとも大きなチェンジは、プロセッサの刷新だ。
iMacレティナ5Kでは、第9世代/第8世代のインテルプロセッサを搭載し、iMacシリーズとしては初となる6コアが標準構成、最大8コアの搭載が可能となっている。プロセッサ速度が3.0GHz、3.1GHz、3.7GHzの3モデルが標準でラインアップされており、価格は19万8800円、22万800円、25万3800円(すべて税別)だ。
また、iMacレティナ4Kでは、第8世代のインテルプロセッサを搭載し、4コア(3.6GHz)または6コア(3.0GHz)が選べるようになっている。前者が14万2800円、後者が16万4800円(ともに税別)と、価格は前モデル据え置きのままだ。iMacレティナ5Kでは従来比最大2.4倍、iMacレティナ4Kでは最大60パーセントも高速な性能を発揮するとアップルは発表しており、写真編集や負荷の高いゲーム、音楽制作、さらには長編映画の制作まで、iMacで行う日常的な幅広い計算タスクで劇的なパフォーマンスの向上を実感できるだろう。
パフォーマンスの面では、グラフィックス(GPU)が底上げされ、描画性能が向上していることも大きなポイントだ。特にビデオ編集やゲームのデザインといったグラフィックスを多用する作業人にとって「ラデオン・プロ・ベガ(Radeon Pro Vega)グラフィックス」が、それぞれの上位モデルのCTOオプションとして用意されている点は朗報だろう。27インチiMacの描画性能は最大50パーセントまで向上するとアップルは発表している。
なお、プロセッサの変更に合わせる形でメインメモリは両モデルで、2666MHzのDDR4へと進化を遂げている(容量は変わらず8GBで、レティナ4Kは最大32GB、レティナ5Kは最大64GBまで拡張可能)。
新しくなったプロセッサ
Retina 5Kでは、第9世代のインテルプロセッサ(Coffee Lake Refresh-S)を、Retina 4Kでは第8世代の(Coffee Lake-S)を搭載している。