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日本で広がる“Apple経済圏”

Appleが日本にもたらした「80万人」もの雇用機会

文●松村太郎

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Appleは世界向けの製品の製造をアジアに集中させている。中でも日本は、Appleにとって早くから市場として起ち上がっただけでなく、精密部品や生産機械、新素材などのサプライヤーが数多く存在する。Appleが作り出す日本の「雇用」はそれだけにとどまらない。

 

80万人の仕事を生み出す

アップルは2019年3月8日、日本における雇用創出に関するレポートを公式WEBサイト上に公開した。同レポートによると、日本では80万人の雇用を支援してきたという。その内訳は日本におけるアップルの社員数、日本を拠点とするサプライヤーを通じた雇用、アップストアのエコシステム関連の雇用だ。

日本のアップルの正式名称は「Apple Japan合同会社」。今や社員数は4000人を数え、これには全国8カ所のアップルストアの従業員に加え、日本を拠点とするサポートセンターで働く1441人も含まれる。2010年時点で1000人にも満たなかった社員数は、9年間で4倍以上に規模に拡大。アップルによると、パートタイムの従業員に対しても福利厚生を提供しているという。

また、サプライヤーを通じた雇用は22万人を数え、製造業、卸売および小売、科学・技術サービスの順により多くの雇用を生み出している。さらにアプリ開発者といったアップストアのエコシステムに関連する雇用は57万6000人、日本を拠点とするデベロッパの数は70万2000を超えている。日本のデベロッパがアップストアでの販売で上げた収益は、2008年以降、すでに240億ドルにものぼるという。

公開された雇用レポートの中にはアップルストアの従業員やサプライヤーの社員、アプリ開発者のインタビューが載っている。その中でも象徴的だったのは、辞書アプリで著名な開発会社「物書堂」だ。

2008年のアップストア開設時から、辞書アプリを中心に50以上のアプリを配信する同社。そのダウンロード数は累計100万を上回る。同社はわずか4人のチームで開発に取り組んでいるが、年間の収益は2億5000万円から3億5000万円、あるいはそれを上回る規模である。アップルがiPhoneで作り出した、いわゆるアプリエコノミーがどれほどの威力を発揮したかがわかる事例だろう。

このように、日本では毎年雇用創出のレポートが発表されているが、今年は若干異なる意味合いで受け取ることができる。昨今「GAFA」と束ねて、米テクノロジー企業が世界中からデータやプライバシー、雇用、産業を搾取する構造が取り沙汰されている。そうした中でのこのレポートの発表は、アップルが必ずしも搾取する側ではないというアピールにも見えるのだ。




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