Apple Pencilの活用法|MacFan

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Apple Pencilの活用法

文●大野文彰児玉潤一松山茂吉田雷(MixtureScape)らいらイラスト●大野文彰児玉潤一写真●黒田彰

[はじめに]ここでは、Apple Pencilの便利な活用法を解説します。iPhone / iPad用アプリ販売ストア「App Store」から必要なアプリをダウンロードして、試してみてください。

手帳アプリにスケジュールを手書きする

【使うもの】Apple Penci/iPad ProまたはiPad(第6世代)

Planner – ApplePencil用手帳

【開発】Takeya Hikage
【価格】無料
【場所】App Store>仕事効率化

 

iPadでスケジュールを管理するメリットは、書き直したり、挿し色を入れたりがとても簡単なこと。まだ紙の手帳を使っている人は、これを機にApple Pencilを使ったデジタル手帳にトライしてみましょう。

 

(1)手帳の表紙のカラーとタイトルを決める

「Planner」は、Apple Pencilで書き込むことを前提としたシステム手帳アプリです。紙の手帳に手書きするように、Apple Pencilでアプリ上のカレンダーに予定を書き込めます。iPad向けアプリですが、Apple Pencil非対応モデルでは、ほぼ閲覧しかできないためご注意ください。

まず、App Storeから「Planner」アプリをダウンロードします。アプリを起動させたら、はじめに手帳を設定しましょう。手帳は表紙のカラーとタイトルを変更できます。また、[+]ボタンを押して、新たな手帳を追加することもできるので、用途に応じて複数の手帳を使い分けてもよいでしょう。

表紙のカラーや名称を変更できます。手帳自体の削除も可能ですが、中に書き込んだデータはすべて消去されてしまいます。

 

(2)手帳のカラーテーマを決める

作成した手帳をタップすると、中のカレンダーが表示されます。Plannerには「ホワイト」と「ダーク」の2種類のカラーテーマが用意されているので、予定を書き込む前に、どちらのテーマで運用するか決めておきましょう。なぜ予定を書き込む前に設定するのかというと、あとで変更してしまうと、黒ペンで書き込んだ予定がグレーの背景に埋没して見えづらくなるためです。ダークからホワイトに変更した場合も、白ペンで書いた内容が、ホワイトの背景に重なり見えなくなります。先にテーマを決めておけば失敗しません。

手帳を開き、画面下のツールバーになる「設定」アイコンをタップ。[カレンダー設定]を選択すると、カラーテーマを切り替えることができます。「ダーク」はmacOS Mojaveのダークモードに近いイメージです。

 

(3)iOS標準の「カレンダー」アプリと同期する

PlannerはiOS標準の「カレンダー」アプリとの連係機能があり、「カレンダー」アプリの予定と手書き入力を併用できます(週間レフト式以外の表示形式に対応)。Plannerの「設定」アイコンから[カレンダー設定]を開き、[標準カレンダーと連携する]をオンにすると、手帳上に「カレンダー」アプリの予定が表示されます。また、「カレンダー」アプリにGoogleカレンダーを紐づければ、Planner上でGoogleカレンダーの予定を確認することもできます。なお、iOS 12の場合は、[設定]→[パスワードとアカウント]→[アカウントを追加]→[Google]を選択しましょう。

iOS標準の「カレンダー」アプリと連係するには、設定画面でボタンをオンにするだけです。カレンダーは月表示、週表示など5種類の表示があります。

 

(4)Apple Pencilで予定を書き込む

次に手書きで紙の手帳に書き込むように、Apple Pencilで予定やタスクなどを入れていきます。ペン入力のほか、マーカーやスタンプ、ふせん、マスキングテープ(マステ)などで見た目を彩ったり、カメラロールから写真や画像を取り込んで貼り付けたりすることもできます。紙の手帳と同じ感覚でデコレーションできるので、アナログ派の人ほど使うのが楽しくなるでしょう。

また、紙の手帳はデコレーションするほど分厚く、重くなりがちですが、デジタルならその心配もありません。さらに、予定が変わったときは切り抜き機能で文字をそのまま移動できたり、スタンプやマステを何度も消せたりと、デジタルならではのメリットが多数あります。

ペンやマーカー、スタンプは色やサイズを自由に変更できます。手帳に映える手描き風のデザインのスタンプは、500種類以上用意されています。

 

写真、ふせん、マステなどのアイテムも自由に追加できます。ToDoふせんは月間表示や週間表示のフリースペースにぴったり収まるため、タスク管理が捗ります。

 

デジタルのメリットの1つに、カレンダーの拡大機能があります。手書きスペースの少ない月間表示でも、拡大すれば簡単に入力や編集ができます。間違えて消しゴムで隣の予定を一緒に消してしまう心配もありません。

 

(5)ふせんやマスキングテープを活用する

手帳好きに向けたふせんやマステは数多く市販されていますが、それらを集めようとすると、時間とお金がかかってしまいます。しかし、Plannerには数十種類のデザインがすでに入っており、はじめからカラフルな手帳づくりができるようになっています。デザインマステでスペースを区切ったり、ふせんに文字を重ねてメモ代わりに使ったりしましょう。数日間続く予定は、日にちをまたいでマステを貼ってもOKです。ふせんが少し剥がれかかったようなデザインになっているなど、ところどころにアナログの質感が表現されているところも、ユーザの心をくすぐります。

週間レフト表示は広いフリースペースが設けられているため、ふせんやマステが大活躍します。アイテムはアナログっぽさが残るデザインなのがうれしいところです。

 

(6)目的に応じてカレンダーを使い分ける

Plannerのカレンダーには、「1日」「週」「週(レフト式)」「月」「レフィル」の5つの表示形式が用意されており、メニューから自由に行き来できます。ただ、アナログ同様、手書き入力した内容はほかの表示形式には反映されないため、それぞれ目的に応じて表示形式を使い分けましょう。たとえば、日をまたぐ大きな予定は月間で、その週のタスクを整理するには週間レフトで、日々の記録は1日表示で残していく…などです。

手書き入力したカレンダーは、JPGやPDFファイルで書き出せるほか、メールやメッセージに直接添付することもできます。現状、アプリはiPhoneとの互換性がないため、iPhoneでも手描きの予定を確認したい場合は、あらかじめiPadで書き出しておきましょう。

1日表示なら、その日の予定からタスク、振り返りまで、すべて1画面で記録できます。なお、カレンダーの日付をタップすると、カレンダーの表示をワンタップで切り替えられます。

 

画面下部にあるメニューバーのアクションボタンをタップすると、カレンダーの画像保存やプリントなど、さまざまなアウトプットができるようになっています。壁紙代わりに作るのもよいでしょう。

 

レフィルでは、各ページに貼り付けたふせんやToDoリストふせんだけが一覧にまとめて表示されます。

 

 

 

 

 

手書き文字・図表を自動でデジタル化する

【使うもの】Apple Penci/iPad ProまたはiPad(第6世代)

MyScript Nebo

【開発】MyScript
【価格】960円
【場所】App Store>仕事効率化

 

手で書いた文字をデジタルテキストにしたいとき、もう一度キーボードで打ち込むのはとても大変です。そんなときは、Apple Pencilで書いた文字をそのまま手軽に変換してみましょう。

 

(1)新規ノートブックを作成する

「MyScript Nebo」はApple Pencilで書くメモ帳アプリです。文字や図表を手書きして編集できるのはもちろん、簡単にデジタルテキストに変換できます。複雑な計算をしたり、ダイアグラムを追加したりするのも簡単です。まずは、このアプリをApp Storeからダウンロードしておきましょう。

次に新規ノートブックを作成します。このとき、「言語」で[日本語(日本)]を追加して設定しましょう。ノートブックの内容は、設定した言語に基づいて認識され、一度設定するとあとでこのノートブック上では変更できません。忘れずに日本語を追加しておきましょう。

日本語でほとんど書く場合、言語は[日本語(日本)]に設定しましょう。[言語を管理]で選択すると、日本語設定のダウンロードが始まります。

 

(2)手書き文字をデジタルテキストに変換する

設定が完了したら、文字を書いてみましょう。手書きメモアプリは多数ありますが、このアプリでは手書き文字をダブルタップすると、簡単にデジタルテキストに変換できます。手書きでメモしたあと、メニュー画面から[すべて変換]を選択して、すべてのメモを一発でデジタルテキスト化することもできます。

文字の削除や改行も、簡単に編集できます。たとえば、誤字の上をグジャグジャと塗りつぶすと文字が消えます。下方向に縦線を引くと区切った文字で改行され、下から上方向に縦線を引くと改行が解除されます。

黒丸や段落もきちんとデジタルテキスト化されます。字が汚くても変換の精度は高い印象です。

 

(3)手書きの図表をデジタル化する

手書き文字だけでなく、手書きの図表も簡単にデジタル化できます。画面右上の[+]ボタンから[ダイアグラム]を選択すると、メモ内に四角の枠が追加されます。その範囲内にApple Pencilで図表を作成したら、こちらも画面をダブルタップすると変換完了です。iWorkやOfficeの機能で1つずつ図表を作成するよりも、素早く、直感的に作成できます。

また、ノートはテキスト、HTML、PDF、Wordファイルへのエクスポートが可能なので、Neboで資料を走り書きしておいて、Wordに書き出して清書する、といった使い方もできます。

図表をApple Pencilで書いたあとは、画面をダブルタップして簡単に変換しましょう。丸や三角などの図形は、始点と終点が少し離れていても図形としてきちんと認識されます。

 

(4)難しい計算式の答えを出す

さらに、電卓ではできない複雑な計算式も、Neboを使えば簡単です。画面右上のメニューから[+]をタップし、[数式]を選択すると、図表のときと同じように四角の枠が追加されます。その中に数式を手書きでイコールまで書いて画面をダブルタップすると、数式の答えが現れます。

ルートや三角関数、円周率、微分積分など、高校数学の複雑な計算式を複数の行に渡って書いても答えが簡単に導き出せます。

数式をApple Pencilで書いて画面をダブルタップすると、答えが一瞬で表示されます。単位の切り捨てや切り上げ、角度の単位(度もしくはラジアン)も設定できます。