2018.12.29
米国LA在住のITライター・三橋ゆか里氏の最新テックトレンドウォッチ!
最近、友人が寮を出てアパート探しを始めました。アメリカの主要不動産サイト「Trulia」や「Zillow」などで候補を探してみたものの、とにかく高い。家賃が高騰するロサンゼルスの場合、海沿いより人気は劣る内陸部のアパートでも家賃は30万円~です。
結局、家賃がまだ安いエリアにアパートを見つけ、ルームメイト数名と暮らし始めました。このような“co-living”(共同生活)は、昔から特に学生などを中心に人気。住宅危機(住宅数の不足や家賃高騰)によって、今後このトレンドはますます強まることが予測されています。
家賃がピンキリの日本では、シェアハウスなどの共同生活は金銭的理由もさることながら、ソーシャルな側面を重視したライフスタイルのひとつとして選ばれることも。一方、アメリカの場合はより切実で、金銭的理由が圧倒的に多い印象。成人人口の約32%(または7900万人)が、恋愛関係や身内ではない他人とともに生活しているそうです。
従来、そして未だにアパートやルームメイト探しは、オンライン三行広告の「クレッグズリスト」が多用されていますが、中には詐欺などもあり、相手を信用するかの判断は利用者に委ねられてきました。そこで登場したのが、信頼性や透明性に重きを置いた代替サービスです。
“「Tinder」 (表示された異性を左右にスワイプすることで手軽にデートできる人気アプリ)の不動産版”と評されることもある「Roomi」の創業は2013年。2018年8月時点のユーザ数は240万人で、アパート掲載件数は50万件でした。起ち上げから5年間で50万件のリスティングは多いとは言えません。
Yukari Mitsuhashi
米国LA在住のライター。ITベンチャーを経て2010年に独立し、国内外のIT企業を取材する。ニューズウィーク日本版やIT系メディアなどで執筆。映画「ソーシャル・ネットワーク」の字幕監修にも携わる。【URL】http://www.techdoll.jp