2018.12.17
ほかのノート型Macと比べて、新MacBookエアにはどのような優位性があるのか。購入の前にしっかりと見極めておこう。
Performance
価格以上のCPU/GPU性能と
高速なエンコード処理能力が魅力
フルカスタマイズのMacBookとほぼ変わらないCPU/GPU性能
MacBookエアのパフォーマンスは、現在リリースされているノートブックシリーズの中ではどの程度に位置するのだろうか。まず、ベンチマークの基本でもあるCPUとGPUの性能を軸に考察する。
昨今のCPUはマルチコア/マルチスレッドが主流だが、より高速な処理が必要な場合には、コアを1つだけにする代わりにオーバークロックして対応する「ターボブースト(Turbo Boost)」機能が備わっている。このため、今回はシングルおよびマルチコアの両性能を評価。また、GPUはセグメントごとに同じものが使われているものの、CPU内蔵型ゆえにある程度その性能に左右されるため、モデルごとに評価している。
新MacBookエアは比較した7モデル中CPU性能で4位、GPUでは3位と健闘。最新の第8世代「アンバーレイクY(Amber Lake Y)」を採用しているアドバンテージはあるものの、レティナディスプレイ搭載モデルとしては最安値でもあり、相応の順位といえるだろう。
CPU性能の比較
GPU性能の比較
新MacBook Airはシングル、マルチともにCore i7を搭載したフルカスタマイズMacBookとほぼ変わらない性能を持つ。と同時に、やはり上位モデルのMacBook Proにクロック周波数分だけきっちりと差をつけられている。
驚異的な省電力設計と高速なエンコード性能を実現
次にもう少し「MacBookエアらしさ」が出る部分に注目してみよう。まずはバッテリ性能だが、ここは歴代でもMacBookエアがもっとも得意するところであり、最新モデルでもそのポテンシャルは十分に引き出されている。MacBookプロだけでなく、旧モデルと比較しても搭載するバッテリ容量がもっとも少ないにも関わらず、平均的な駆動時間は7モデル中でトップの成績。まさに脅威的な省電力設計を備えているのだ。
もう1つ取り上げたいのがエンコード性能。新MacBookエアに搭載されているT2チップセットにはHEVC(H.265)ハードウェアエンコーダが搭載されており、これを利用することでCPUによるソフトウェアエンコードよりも圧倒的に高速な処理を行うことができる。現時点では対応ソフトウェアが少ないため、汎用性こそ低いものの、用途によっては2017年以前のMacBookプロを凌ぐパフォーマンスを期待できる。
バッテリ駆動時間の比較
HEVCエンコード性能の比較
MacBook Airのバッテリ効率の良さは相変わらずの優秀さで、消費電力の観点から見ると「Amber Lake Y」を採用した理由もよくわかる。一方で注目するべきなのは、やはりT2チップによるHEVCエンコード性能の高さだろう。CPU性能に依存せずに使えるのであれば、T2チップの市場価値は今後急速に高まるはずだ。【URL】https://marco.org/media/2018/11/macmini-ffmpeg.png