第3回 台湾の美味しいものまわり|くらしの本棚

くらしの本棚

第3回 台湾の美味しいものまわり

こんにちは。衣食住、暮らしに関するエッセイを書いている柳沢小実です。ご存知の方も、はじめましての方もよろしくお願いします。

これまで、普段は家でこもって原稿を書いたり、撮影をしたりと、家にいる時間が圧倒的に長かった私。それが、昨年出た書籍『わたしのすきな台北案内』の取材で、一年のうち2か月も海外で生活したことから、暮らし方や考え方、人とのかかわり方が大きく変わりつつあります。

人生80年だとすると、40才はちょうど折り返し地点。ゆるやかにやってくる身体の変化や取り巻く環境など、ままならないことも増えてきますが、その代わりに、大切な人たちのおかげで今の自分がいると感謝したくなるような出来事に、日々遭遇しています。

そんな私の、「半径100m日記」、ゆるゆるとしたお喋りにお付き合いいただけると嬉しいです。

台湾に行っていいなと感じるのは、食べ物を大事にすること。

たとえば、レストランや小さい食堂などで友達とごはんを食べるとき。

食べきれなかった料理は、テイクアウト用の容器に入れてもらって持ち帰ることができます。おかずはもちろん、残った鍋のスープを持ち帰って次の日以降の料理に転用するのも、当たり前の光景です。

何人かでレストランで食事をするとき、「○○ちゃんっていう人がいて、彼女にも声をかけておいたよ!」と、いつのまにかメンバーが増えているのもよくあること。

台湾の人たちは楽しいことをシェアするのがとても上手ですが、実は人数が多いほうが色々な料理を食べられるからなのでは…?とも思っています。

とにかくみんな食べることが大好きだから、台湾に行くと、食事の時間がなおさら待ち遠しくなります。

台湾旅の計画を立てるときには、スケジュール帳をコピーしてまず朝昼晩の食事の時間に付箋を貼り、誰とどこで食べるかを書き入れます。

食べることから始まる、旅計画。これをちょこちょこと書いている時間が、とてつもなく楽しいのです。

そして、あちこち食べ歩いて、帰りのスーツケースは食材でいっぱいになります。

毎回15キロくらい増えていますが、一体何が重いのでしょうか? 不思議です。

よく買うものは、
  • 台湾茶
  • 茶梅
  • パイナップルケーキ
  • 調味料(醤油や破布子、唐辛子のペースト等々)
  • 乾物類など

特に、各地方の特産の麺を見つけると、どうしても試したくなってしまいます。お土産に差し上げても喜ばれますしね。

ちなみに、上の写真中央の玉山麺は5袋買って、差し上げるつもりが、何やかんやで半分くらい自分で食べてしまいました。

あとは、ナッツや豆類、ドライフルーツ、塩気のきいたネギ入りのクラッカーも大好きです。

そんなに数は多くないですが、料理に使う道具も必ず見てまわっています。

乾物街では鉄製のスキレットやラクダ印のおろし金を買いました。

朝市の家庭用品ショップでは、ガーゼを重ねて縫い合わせたふわふわのお布巾を、いつも10枚単位で買い求めています。

家庭用品はカラフルなプラスティックやステンレス製のものが多い台湾ですが、がんばって探すと、ひょっこりこんな実直な道具が見つかるのもいいところです。

プロフィール

柳沢小実(著者)
1975年、東京都生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。エッセイスト。『大人の旅じたく』、『わたしのすきな台北案内』(ともにマイナビ出版)、『大人のひとり暮らし』『気持ちのいい暮らしの必需品』(大和書房)、『日々のごはんとはたらくキッチン』(KADOKAWA)、『シンプルな暮らしの設計図』(講談社)など、暮らしにまつわる著書多数。確かなもの選びに定評があり、フェリシモで商品開発を手がける。http://www.furarifurari.com/