第5回 茨城県ひたちなか市の「ちどり」|くらしの本棚

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第5回 茨城県ひたちなか市の「ちどり」

この度、フリーライターの私が、取材の合間に寄り道したり、誰かに連れて行ってもらったり……。
そんなお店をご紹介する連載を始めることになりました。
とは言っても、私は元来マメな性格ではないので、話題の店にすぐ足を運んで……というショップ紹介ではありません。
日本のあちこちに、わあ、なんて素敵な場所だろう……と心を震わすお店がある。そこには、必ず素敵な人がいる。そんな出会いを、ご紹介できたらいいなあと思っています。

茨城県ひたちなか市にある「ちどり」を紹介してくれたのはフラワースタイリストの平井かずみさんでした。
店主の黒澤みゆきさんから誘われて、ここで「おへそ塾」をやらせていただきました。

東京から車で約3時間ほど。
ひたちなか市は、海に沿って広がる、それは美しい街でした。
「ちどり」は、豆腐、おから、豆乳を使った料理のお店。
契約農家さんから届く、新鮮な野菜を共に季節感溢れるボリュームたっぷりなプレートが人気です。

料理を担当しているのは、ご主人の黒澤聡さん。
実は、以前は都内のフレンチレストランで働いていたそうです。
ひたちなか市のご実家がレストランを営んでいて、みゆきさんと共にお店を継ぎ、少しずつ自分たちの思いと共に変化させてきたのだとか。

だからでしょうか?
豆腐やおからなど、ヘルシーな素材を使いながら、一品一品の手の込んでいること!
フレンチの技術を使ったおかずは、手羽先ときのこのローストだったり、サーモンの焼き豆腐まきのフライだったり。

これが、地元笠間焼のプレートに美しく盛り付けられて出てきます。
これが、「ちどりプレート」

そのほかにも豆腐と野菜たっぷりの「ちどりサラダ」や豆乳キッシュとスープとおかずがセットなど。
これに、生のおからが30%も入ったベーグルがついてきます。

店内には、「ちどり売店」と呼ばれるコーナーがあり、器や食材なども販売されています。

このちどりのすぐ近くには、みゆきさんがセレクトした器や古道具などが並ぶ「ギャラリーまどべ」も。

さらに、車で15分ほどのところには、焼きたてスコーンとコンフィチュールと紅茶の店「La Table de izumi」があって、なんと、いろいろな種類のスコーンが食べ放題!!

私は訪ねた日、みゆきさんの車で海辺まで連れて行っていただきました。
秋の海岸は人がまばらで、静かで波を眺めながら過ごすひとときは、忙しい日常をリセットさせてくれるようでした。
さらに、おすすめは那珂湊おさかな市場。
新鮮な魚介類が安い!
私はみゆきさんのおすすめで、メヒカリとムール貝を購入。
たっぷり買っても1,000円ほど。
帰ってさっそくフライと、酒蒸しにして美味しくいただきました。

さらに!!
「ちどり」で人気なのが実はお弁当!
5名から注文できるというものですが、これがまた美しい!
お祝いに、パーティーに、と都内から買いに来る人もいるのだとか。

来る人に喜んでほしい……。
「ちどり」には、そんな黒澤さん夫妻の思いが満ち溢れています。
だから、「ああ、来てよかった~」と心が満タンになる……。

近くの方はもちろん、周辺のお楽しみ処と合わせて都内からもぜひ行ってみてください。

ちどり
茨城県ひたちなか市東石川2897-1
☎029-273-1178
営11:00~22:00(LO21:00)
月、火曜日休
http://chidori-z.com

【201704旅行・関東】

プロフィール

一田憲子(著者)
1964年生まれ。編集者・ライター。OLを経て編集プロダクションへ転職後、フリーライターとして女性誌、単行本の執筆などで活躍。企画から編集を手がける暮らしの情報誌『暮らしのおへそ』『大人になったら着たい服』(ともに主婦と生活社)は、独自の切り口と温かみのあるインタビューで多くのファンと獲得。全国を飛び回り、著名人から一般人まで、これまでに数多くの女性の取材を行っている。著書に『「私らしく」働くこと』、『ラクする台所』(ともにマイナビ出版)などがある。