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アマが使える衝撃の新戦法! 囲碁AI「Zen」の布石構想 ~新感覚の囲碁AI本~

こんにちは。年始はホーチミンで過ごした編集部の山本です。

ホーチミンは1月でも、気温が30度越え!
最近囲碁界で流行り(?)の半袖で過ごしても汗がとまりませんでした。そして、東京に戻ってきた日の気温は何と、2度! 気温差のせいで、しばらく体調を崩したのは言うまでもありません。

さて、今回は2月の新刊案内です。
竹清勇著『アマが使える衝撃の新戦法! 囲碁AI「Zen」の布石構想』


本書の概要は、「二連星」「三連星」「中国流」「小林流」といった人気の高い布石を「Zen」はどのように評価をし、どのような手を良い手と考えているのか? といったことを竹清先生が解説したものです。

さて、ここで突然のクイズですが、ホーチミンはどこの国かご存知ですか?
ヒントは、最近大流行している、ある布石作戦にその名前が使われることもあります。

正解は、、、、、




そう!この布石、ベトナム流と呼ばれることもありますね。

そして、その派生形。ミニベトナム流と呼ばれることもあります(たぶん)。
三々かベトナム流かミニベトナム流か、これくらいしか最近打たれてないんじゃないかと思うほど大流行しています(言いすぎ)。

今回はミニベトナム流を「Zen」はどのように評価をしているか、一例をご紹介したいと思います。
※なお本書では、この布石を「リトル中国流」と呼んでいます。校正でベトナム流に変えておくべきでしたかね。。。(?)


さてこの進行、プロのタイトル戦でも打たれている、ミニベトナム流の進行例の一つです。焦点は、白7とボウシされている下辺ですが、黒はどのように相手をするでしょうか? 少し考えてみてください。


まずひとつめ。黒1から右下を黒地として確定させてしまおう、という作戦です。これは人間の作戦と言いますか、従来よく打たれてきた手順です。
右下の黒地は大きいですが、偏っている感と白も立派な形と地をもっていることに「Zen」は不満を持っているらしく、黒が不利と判断しています(なんと!)。
そして、「Zen」が示した手は、、、、、



黒1!!!
「いやいや、ふつう~~~~~! もっとすごい手があるんじゃないのかよ!!!」とツッコミたくなりませんか?
しかし、これが「Zen」の大きな特徴で、自然で筋がよく、人間でも理解しやすい手を打つのですね。”人間代表の囲碁AI”と評す棋士もいるほどです。
とは言え、白2のノゾキから4、6と下辺を割られてしまっては心配ですが、どのような手を用意しているのでしょうか?


じっと黒7のツギ。黒13まで、奇抜な手は一切打っていません。
従来の打ち方と比べていかがでしょうか?
大きな確定地はないですが、白にも左下に地を与えていません。そして、左右に分断された下辺の黒は、どちらもすぐに眼形の心配のある一団ではありませんが、下辺の白はしっかりとした眼形はありません。
黒は白全体を攻めて主導権を握ろう、という作戦で「Zen」の好む打ち方です。

囲碁AIがプロ棋士と互角以上の戦いができるようになったことは、アマチュアにとっての有用な上達ツールがひとつ増えたことでもあると思います。
本書は、竹清先生がその示した手の意味を言葉にして解説してくれているので、分かりやすく理解できます。

布石をレベルアップさせたい方は是非一冊いかがでしょうか?

マイナビブックス
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