みなさま、こんにちは。囲碁編集部の山本です。
今回は、6/24(金)に発売となりました『アタリ・ノゾキを正しく打つ!利かしの基本戦略』の内容紹介をしたいと思います。
「利かし」と聞くと、どこか細かい部分的な問題で、そんなに勝敗に関わらない気がするのではないでしょうか。
確かに布石や定石、手筋や詰碁といった囲碁の王道のテーマと比べると、「えっ・・・利かし・・・?」と思う方もいるでしょう。
しかし、私は「利かし」をマスターされることをオススメします。それはなぜか?
上手く利かせると、
気持ちいいからです。
相手の石をダンゴにするともうそれだけで勝った気になります。また、石が取られそうになったときに上手い利かしがあって、華麗に生還したときにはもう言うことはありません。
もちろん、打ってはいけない利かしもあります。その見極めが少し難しいのですが、判断方法は本書に全部書いてあります!
さあ、うさんくさいと思いつつ、少しでも興味を持たれた方は次の図をご覧ください。
ツケ引き定石が戦いに発展した形です。白番で右の黒をどう攻めるかという問題ですが・・・
白1、3と利かしてから白5のトビに回ります。
いかがでしょうか。黒は、5個石がくっついて並んだとても非効率な形をしています。
以前プロの指導碁を受けたときにこの形ができてしまい、検討で「五目並べじゃないんだから(笑)」と言われたのは、いい思い出です。
さすがに指導碁では言わないほうがいいと思いますが、仲のいい仲間相手なら利かしの手筋と共に、積極的に使っていきましょう。
白が何も利かさずに1とトブと、すかさず黒2、4と打たれます。この図は黒の形に余裕があり、白はチャンスを逃したと言えるでしょう。
続いてこちらの図。
ツケノビ定石の変化形です。この後の、黒の正しい手順は・・・
黒1のノゾキから利かすのが正しい手順です。白は2とツグしかないので、ここで3とアタリを打ちます!
白は見るからにダンゴですね。aやbの狙いも後の楽しみです。
黒1のアタリから打つのは失敗です。7とこのタイミングで利かそうとしても・・・
白1の利かしから3とオサえられて失敗です。黒からの狙いが一切なく、白は立派な形です。
いかがでしょうか?実際に見ていくと、利かしの勉強をオススメする理由は「気持ちよくなるから」というだけではありませんね。そんなの二の次です。
「利かし」を上手く打てるか打てないかで、かなりの差が出る
のです。
さて、それでは最後に1問。
ある定石の途中です。黒は、ここから利かしを打って形を決めていきますが、最後まで正しく打てますか?正しく打てるか打てないかで、最終形に大きな差が生まれます。
答えは本書でご確認ください。
本書で学んだ利かしの考え方とテクニックを身に付ければ、今まで苦手としてきた碁敵にももう負けませんよ!
それでは!