Linuxそのものは、基本的にカーネル部分のみを指している。しかし、カーネルのみでは使いにくいので、周辺ツールや開発環境、アプリケーション、GUIなどをセットし、利用しやすいよう整理されたパッケージが登場した。ディストリビューション(配布版)とは、この各種ソフトウェアを含んだパッケージのことである。
Linuxでは、基本的に、誰がどのようなディストリビューションを作ってもかまわないことになっている。世界中で、数千に及ぶディストリビューションがあるといわれている。
ディストリビューションは、パッケージ管理システムの違いで、大きくRed Hat系(rpm形式)とDebian系(deb形式)に分かれている。
rpm:Redhat Package Managerの略。RedHat Linuxで初めて採用され、複数のディストリビューションが利用している。バイナリファイルをコマンドひとつでインストールすることが可能だ。GUIで操作することもでき、ソースやコンパイルといった言葉と縁がないユーザーでも、簡単にインストールを行える。バージョンアップや削除、インストールされているソフトの確認などもできる。
dpkg (deb形式):Debian PacKaGeの略。Debian GNU/Linuxで用いられるパッケージ形式。基本思想や個別パッケージの管理方法はRPMと変わらない。パッケージ間の依存関係などを厳格に管理することで、より安定したシステムを容易に構築できるようにすることを目指しており、安定性に優れるといわれている。