●Linuxの成り立ち

Linuxの原型は、1991年、フィンランドのヘルシンキ大学の学生だったリーナス・トーヴァルズによって開発・公開された。9月ごろにはソースコードのみ(Ver.0.01)だったが、10月5日にはソースコードにバイナリが追加されている(Ver.0.02)。

翌1992年8月に、Linux初のディストリビューションである「SLS(SoftLanding Linux System)」が公開。約1年後の1993年9月には、SLSを改良したディストリビューション「Slackware」が公開され、半年後の1994年3月14日にLinux Ver.1.0が公開された。この年、RedHatやTurboLinuxといった商用ディストリビューターが設立されている。

Linuxは、リーナス・トーヴァルズが一人でゼロから作り上げた(フルスクラッチした)ものである。当初は、i386用PC(IBM-PC/AT)のためのUNIX互換OSとして開発された。1993年の「Slackware」のリリースあたりから既存のUNIX用プログラムも動作するようになり、ユーザー層を拡大することとなったといわれている。

リーナスは、Linuxをソースコードとともに公開した。当時、リーナスがニュースグループに投稿された一文に次のようなものがある。

「It will be free though (probably under gnu-license or similar).」1991年8月25日

このスタンスが、Windowsや商用化を進めるUNIXに批判的な開発者などの支持を得た。さらに、インターネットを利用し、世界中のユーザーや開発者と連携、開発を続けることで短期間に完成度が高いOSとなったのである。