Responsive Web Design

ウェブは柔軟なメディアである

テキスト文書のみであったWebをデザインするという考えが生まれて間もない頃は、デスクトップパブリッシングの技術を参考にしてきました。
そして制約されたサイズの中でデザインする印刷物のデザインがWebデザインのベースとなりました。
しかし出力される媒体は、印刷は紙であり、Webはディスプレイと異なります。そのように出力媒体が異なるものを同じようにデザインする必要はあるのでしょうか。
長い時間を経て、印刷物のデザインは制約されたサイズでのデザイン技術を高めましが、そのままWebに反映できる技術ではありませんでした。
Webは固定されたサイズでの閲覧を前提としていません。環境によって縦横に変化する柔軟な媒体です。
今までのWebデザインで固まった固定概念と、ピクセルパーフェクトの制約を壊してWebも考え方も柔軟に変化させる時です。

全てをコントロールできない

Webサイトにアクセスできるデバイスは多様化し、それを使う環境・シチュエーションも多様化しました。
入力方式もマウスからタッチデバイス、カメラを使って手さえ触れずに操作することも可能となりました。
Webサイトを閲覧するブラウザはユーザーがカスタマイズして使うことができます。万人に全く同じような体験を提供することは実質的に不可能です。全てを制御しようとしないことです。
人によって多少の見え方の違いや使い方の違いも許容できるような思考が必要です。

情報を適切に届けること

柔軟な媒体であり、こちらから全てをコントロールすることもできない。
では、環境により提供するコンテンツも異なって良いのでしょうか?
ユーザーがサイトにアクセスする理由はそのサイトのコンテンツを閲覧することが目的です。
もしそのコンテンツを適切にユーザーに届けられないのであればそのサイトの価値はなくなってしまいます。
閲覧するデバイスや環境で多少その構造が変わったとしてもサイトの核であるコンテンツは適切にユーザーに届けなければなりません。
コンテンツファースト。コンテンツから考え、コンテンツを最優先に設計しましょう。
そしてどの情報をどの形でどのように届けるのが最適であるのか。難しい問題ですが常にチャレンジし続けることで解が見えてくるでしょう。