【第2回】出向先での想い出 | マイナビブックス

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音楽の力② マルチメディア黎明期編

【第2回】出向先での想い出

2017.02.07 | 前田融

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音響工場に出向中に、1階にあるスタジオを使ってみたいと思いました。しかし、機材はプロ用で自分にオペレーションができるか自信がありません。

そこで、会社の友人のレコーディング・エンジニアを誘い、当時知り合った友達のバンドに声を掛け、そのスタジオを使ってレコーディングを行います。

この時の私の立場はどちらかと言えばエンジニアではなく、ディレクターです。

よく考えれば仕事でもなんでも無い、こんな私のわがままに皆さん良く付き合って頂きました。

この頃はアパートへ帰ったほとんど寝るだけの忙しい生活で、お金も使わずある目的のために貯めていました。

遂に設計に関わったカラオケが販売になり、製品が家電店の店頭に並び、テレビでは有名お笑いタレントの出演するCMが流れます。

この時、自分の関わった製品が世の中に出ることの喜びを感じました。

出向は1年だったのですが、できれば次のカラオケ装置の開発にも関わりたかったので、会社と交渉して半年延長してもらいます。

今度は、企画から参加させて頂きます。どんなカラオケ装置にするかなどマーケティング担当者と打合せをしながら仕様書にまとめていきます。

特にプログラムの仕様書は私がすべて作成しました。今回は単なるお手伝いでは無く、企画から参加させて頂いたことは本当に勉強になりました。

試作に入るまではそれほど忙しくなかったため、伊勢佐木町にあったオーディオ・ショップへ何度も足を運び、遂に貯めたお金で念願のオーディオを購入します。

アンプは、サンスイのAU-D907GExtra、カセット・デッキは、ナカミチのZX-7、アナログ・プレーヤーは、ヤマハのGT-2000(現在も現役で使用しています)、スピーカーは、BOSEの301、そしてパイオニア製のFMチューナー(型番忘れました)、これらを購入しました。

少しでも良い音で音楽を楽しみたいという思いでした。しかし、この中に当時流行のオーディオ機器が入っていません。そうです、CDプレーヤーです。まだ、CDに乗り変える気がありませんでした。アナログ・レコードに愛着もあり、音もCDより圧倒的にレコード盤の方が良いと思っていたので、CDプレーヤーは購入リストに入っていませんでした。

レコード・プレーヤーは、永く使える良いものをと思い、ヤマハを選びました。(30年近く経った今でも使用していますので、選択に間違いはなかったですね)

初めて自分で購入したオーディオなので感無量でしたし、毎日アパートへ帰っては音楽を聴いていました。

カラオケの設計がまだ忙しくないとき、カセット・デッキのメカのコントロール用プログラムなども依頼されます。他社のOEM製品なのですが、当時有名ブランドだったカセット・デッキです。この頃は、プログラムに関わる仕事だと私へ仕事が振られました。

次機種のカラオケ装置が完成して出向期間も終了し、私は再び元いたレコード会社の工場に戻ることになります。

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