【第0回】【登場人物】 | マイナビブックス

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dogma 上演台本

【第0回】【登場人物】

2016.04.11 | 宇野正玖

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劇団海賊ハイジャック 13thR

『dogma Long version』

     脚本・演出/宇野正玖

     上演/2012・2・3 - 2・ サンモールスタジオ

 

 

【登場人物】

 

校長………秋山輝雄

この学び舎の教義の創始者であり、象徴。事故に苦しみ病気を患い、足腰と顎に不具合を抱える。生来口数が少なく、あらゆることに動じない。

 

学年主任 モリクニ (理科)………五ノ井宇

クラスを担当しない学年の主任教師。他の教師よりも地位が高く、各担任たちを指揮して生徒たちを然るべき道へと導く。理科(専門は物理)だが英語混じりで話す陽気な人物。ゴダイの生徒たちへの教育方針を訝しく思い、合格者へ卒業演習を行うよう担当者として彼女を任命する。

 

一組担任 トクガワ (体育)………飛田修司

劣等生への厳しい態度には定評のある鬼教師。専門は体育だが、本人は「しごき」のつもりで授業を行っている。主に挫折者の処刑を一任されており、学年最後のテストでは397人の挫折者を処刑した。一見恐ろしい人間としか映らないが、最も教義に忠実な生活を送る模範的な人間として同僚からも生徒からも尊敬されている。

 

二組担任 ゴダイ (数学)………川添美和

この話の主人公である教師。かねてより教義には懐疑的で、校則の抜本的な改革を望んでいる。しかし、教師としては一番若く、発言権を得られない。また、改革を望んではいるものの、大多数が教義を支持するなか、明確に自分の論理を説くことが正しいことであるのかどうか決めかねている節がある。担任としては最も優秀な教師として、5人の合格者を出した。ただ、その5人を含め、二組の生徒は幼い頃よりずっと、教義を教えられていない。このことが学校を傾倒させる程の大事を招くこととなる。

 

三組担任 ホウジョウ (国語)………水沼小百合

教義第3章罰則規定により、切腹を促された挫折教師。卒業を決める最後のテストにおいて、自らが担当する3組から合格者を一人も出すことが出来ず、挫折者として腹を切った。ホウジョウは教義左派ではないが、生徒たちへの学問の強制力の無さが招いた悲劇だと、のちにミナモトから語られる。ゴダイとは親しい間柄で、教義に疑問を持つ彼女の相談役にもなっていた。得心を抱けぬまま、ゴダイもホウジョウの切腹の場には立ち会っている。

 

四組担任 ミナモト(社会)………堀口武弘

他の教師たちと同じように、この学校を卒業せず、教師として選抜され、生涯、教育のために身を捧げることを約束された模範生。学生時代は100年に一度の頭脳と太鼓判を押されていたが、教師として尽くす覚悟を決め、卒業という勲章を辞退した仁徳者。教義に不満を抱くゴダイを気に病み、彼女や彼女の生徒が道を踏み外さないよう助言を促す。本人は盲信的な教義信仰者であるため、ゴダイの考えに耳を貸すことはないが、それでも、教師の間で仲違いが生じないよう、中立を守る立場でいる。

 

生徒一組

クスノキ………伊藤亜斗武

最終テストで合格した一組唯一の生き残り。もともと動向の読めない変わり種であったが、五教科においては優秀の一言で、担任のトクガワのしごきにも涼しい顔で耐えてきた。しかし、何か腹に一物を抱えたような、そんな態度から、トクガワにはあまり好かれていない。ただ、ゴダイに対しては、表だって表現こそしないが、好意的な印象を抱いている。

 

生徒二組

ユウキ………大島翠

二組の委員長であり、ゴダイを信望している。ユウキに限らず、二組の生徒は教義の教えを啓蒙されていないため、他のクラスとは隔絶された位地関係にある。ユウキ自身も他のクラスの生徒には嫌悪感を持っており、二組全体を動かすリーダーとして12年間皆の前に立ってきた。このゴダイとユウキによる情報の閉鎖が、卒業演習を悲劇に陥れる原因となってしまうことになる。また、問答無用で仲間を殺したトクガワとモリクニを心底恨んでいる。

 

チグサ………花岡志穂里

ユウキの親友。勝気な性格ではないため、ユウキと違ってモリクニやトクガワを批判する立場をとらない。本来教義を教えるための時間であった道徳の授業でゴダイが教えていたのは、教義による束縛とは相反するような自由な発想の場だった。例えば、芸術、絵画や音楽、または、恋愛や詩作などの耽美。これらはすべて、教義第3章によればタブー視されていたものであり、ゴダイは教義に反してこれらの重要性を説こうと試みていた。チグサはゴダイのこの反抗に最も恭順を示した人物であったが、これらが罰則や反抗であるということ自体は露も知らなかった。

 

イガ………平良和義

ユウキやチグサと親しいプレイボーイ。また、チグサと同じく芸術に、時に音楽に強い感心を示し、授業の合間を見てはギター片手に遊興に耽ることが多かった。 かといって学力に落ち度があるわけではなく、最終テストも難なくクリアしてみせたスマートな男である。チグサとは恋愛関係にある。

 

ナワ………山下諒

代議士の息子である。と、言っている。常に参考書を手放さず、東大に入るのがとりあえずの目標。勉強ばかりに目を取られてか、運動神経に難はあるが、努力で乗り切る苦労人。しかし、パニックに陥りやすく、冷静な時は冷静な時で社交性に乏しく、空気の読めない行動を繰り返す。

 

アシカガ………丸山翔

二組のガキ大将。学力、運動能力ともに秀でた才能を持ち、黙っていれば他を圧倒する模範生である。しかし、二組では唯一ゴダイに懐疑的で、よくユウキやイガと衝突を繰り返す。また、他クラスの生徒と親交のある人物でもあり、教義の存在を知る人物でもあるが、人望が薄いため相手にされないことが多い。クスノキとはよく喧嘩をしていたらしい。ちなみに、基本的に他のクラスと合同で授業を行うことはなく、通常ならまず、他クラスと接点を持つことはない。窮地に陥ると怯懦とも取れる態度をとることがある。本当は小心者。

 

生徒四組

アカマツ………鴻森久仁男

学び舎始まって以来の優等生と噂される首席学生。その噂は他のクラスにも広まり、人望も篤いとされる。教義に忠実な名実ともに模範生であり、ミナモトの自慢の生徒である。一切の失敗を知らないせいか、人と接する距離感が近く、何事にも驚かない、動じない鉄の心を持っている。

 

ニッタ………朝日望

アカマツと並び称される学び舎の次席。しかしアカマツに対してライバルという意識はなく、自身もアカマツに憧れている節がある。卒業演習においては二組生徒と始めての合同授業を行い、教義を知らない彼らに対してカルチャーショックを受ける。

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