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法律事務所×家事手伝い1

【第12回】初美と花梨

2017.05.12 | 川口世文

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12 初美と花梨

 

手土産に〈ときわ木〉のせんべいを持って、花梨は榊原初美が働いている和菓子処を訪れた。不動家を代表して昨日のお礼に顔を出せるとしたら、タイミングは今日しかないと思っていた。
花梨が初美に好奇心を抱く理由はいくつかあった。そのなかでも彼女自身がいちばん納得している理由は、初美が「創作スイーツ」を作っていることだ。
古文書に描かれた単なる「赤い丸」の図を見て、翌日にはそれを再現した和菓子を完成させてしまう──そんな才能を持っている女性はいったいどんな人なのか、ぜひ会ってみたかった。
家族の前で冗談半分に「スイーツの店をやりたい」といったことも、今ではすっかり冗談ではなくなっていた。言葉に出した途端に、自分でも不思議なくらい現実的な希望として膨らんできたのだ。
やれるかどうかはわからないし、そこはあまり真剣に考えていない。やりたいかどうかが重要なんだと思っていた。

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