12月13日の夜からふたご座流星群が極大に – 今回は観賞から観測にステップアップしませんか


さて、今週は三大流星群の一つであるふたご座流星群の極大(もっとも流星が多く流れるタイミング)です。国立天文台によると12日〜16日に活動が活発になり、13日の深夜から14日にかけてもっとも多く見られるということです。月はちょうど新月のため流星観賞への影響はほとんどなく観賞には好条件ですが、極大は14日の午前中と予想されており、もっとも見える時間帯は残念ながら太陽が昇ってしまっています。そこで、放射点の高度が高くなる20時ぐらいから出現しはじめて深夜から明け方にもっとも多く見られると予想されています。

 

「ふたご座ってどこにあるの?」という方には星座アプリがオススメです。こちらはお馴染みのVito Technology Inc.のiPhoneアプリである「Star Walk - 5つ星の天体観測ガイド」のふたご座です。

 

放射点は双子の左側の肩の部分になります。詳しくはiPhoneでアプリで実際に空にかざしながら確認してください。iPhoneアプリを利用すればすぐに発見できると思います。

 

ふたご座流星群は、ペルセウス座流星群やしぶんぎ座流星群に並ぶ大きな流星群ですからかなりの数が期待できるため、極大予想時間にもっとも近い明け方前が一番多く見られるということになりますが、予想はあくまでも予想であり、実際には観測してみないとわからないものです。これが流星観測の面白さでもあります。流星観測では、天体望遠鏡やスチルカメラ、ビデオカメラなどを利用した観測方法もありますが、肉眼で見る「眼視観測」で十分な観測データを揃えることができます。太陽や惑星、恒星の観測とは大きく違うところでしょう。

 

国立天文台では、「ふたご座流星群を眺めよう」キャンペーンを実施します。一般の方から自分が見た流星を「流星を見た時刻(観察した時刻)」「流星を見ていた時間(観察した時間)」「見た流星の数(見たすべての流星数)」「流星群の流星を区別したかどうか(ふたご座流星群とそうでないかを区別して観測したか)」「都道府県」について報告してもらいリアルタイムで集計するというものです。単に流星が流れる様子を見るのは「観賞」ですが、出現時間や数や明るさを記録すると立派な「観測」になります。流星観測は天体望遠鏡やカメラ、ビデオを使用しなくても観測が出来る天文現象で、肉眼で行なう「眼視観測」は現在でも盛んに行なわれています。

 

国立天文台のキャンペーンページです。観測方法や記録用紙がアップされています。

 

流星群の流れる基点になる放射点は20時頃に高度が高くなるため観測の開始はこの頃がいいでしょう。あとはどれぐらい長時間を頑張れるかですが、寒いのでカゼをひかないように充分注意してください。また、観測は長時間に及ぶため立ったまま行なうのは体への負担が多く現実的ではありません。寝転がれるようなイスかもしくはビニールシーと敷いて空を見た方がいいでしょう。もし寝袋をお持ちでしたら、カイロなどを中に入れて寝ながら観測するという方法がオススメです。

 

観測場所は周囲に街灯などの余計な光がない所が理想的ですが、道路の真ん中や人気のまったくない場所は危険なため注意してください。また、観測しながら寝込んでしまうと寒い時期ですから大変危険です。可能であれば複数の仲間と一緒に観測してください。観測者と記録係に別れて効率よく観測ができますし、一緒に観測する人数が増えれば増えるほど広い視野をカバーすることができる(1人で見られる視野は限られているので4人ほどで空の領域を分担して観測すると全天がカバーできる)のでより精度の高い観測が可能になります。

 

国立天文台では、明日の夕方(12月12日)から「報告送信ページ」を公開します。詳しい観測方法や記録用紙等もダウンロードして使用できるようになっているのでぜひ一度ご覧ください。

 

また、プロの流星研究家とアマチュア流星愛好家によって組織されている日本流星研究会(The Nippon Meteor Society)のホームページにもさまざまな情報や研究結果が掲載されており、本格的な記録用紙や星図などが観測者支援ツールが非会員の方でも入手できます。かなり専門的な内容が多くなってきますが、観測自体は肉眼による眼視観測がベースとなっており、個人による精度の違いはあっても誰でも観測と記録が可能です。流星により興味のある方はぜひこちらもご覧ください。直接流星を書き込む観測星図もアップされておりマニア心をくすぐります。

カテゴリ: 流星
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