四時半が最終入場ですと記載されたガイドブックの
薄緑の白川通りを走ってきたはずなのに
道を間違えたらしい
途端に地図上の我々は消えて、よく風があたる
(まったくこの交差点は、なんという名の)
しかし道の奥で夕間暮れが冷えてかたまり、
(ああそれよりここに神社がある、熊野神社という)
鉄のかたちをして素早く横切っていく
見覚えのある姿の案内人
夕暮れは体がひえてさみしくなって、お腹が痛む
内側へどこまでも引きこもりながら
遠い空の奥の方まで、あがっていく
その時、わたしは友達の車で熊野を猛速にて駆け抜けたことを思い出し
溶け出したアイスや夏のアスファルトの影を思い出し
古道の深い森に案内人を再びみとめて、
本当に、別の道へきたんだとわかった
4月23日、日曜日に京都で道に迷っていたこと。石田瑞穂さんへ。
2014.4.23